大相撲の春巡業が3日、兵庫・加古川市立総合体育館で行われ、隣町の高砂市出身でご当所力士の平幕妙義龍(32=境川)が、土俵上の稽古などで集まった約4500人をわかせた。

「実家も近くて、朝からいろんな人に声をかけてもらった」。高砂市内の中学校に通学していた時は相撲道場に通いながら、陸上部にも所属。会場から徒歩10分の陸上競技場で「県大会に来た思い出がある」と懐かしんだ。握手などのファンサービス以外にも、ぶつかり稽古や申し合いに積極的に参加。「次の場所に向けてこの巡業からしっかり稽古をやろうと思っていた」と、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)を見据えた。

新大関の貴景勝(22=千賀ノ浦)も兵庫県出身で、大歓声を浴びた。「兵庫での巡業は年に何回かしかないので応援していただいてありがたい」とファンに感謝。出身の芦屋市は大阪寄りだが「(加古川には)2、3度行ったことがある。自分が住んでいるところより自然が豊かで空気がきれい」と、目尻を下げた。この日も相撲を取る稽古は行わなかった。【佐藤礼征】