序二段の優勝争いは、西78枚目の隠岐の浜(21=八角)と西42枚目の栃神山(18=春日野)の、7戦全勝同士による千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

まず隠岐の浜が、序ノ口で6戦全勝だった伊藤(20=錣山)を小手投げで破り7勝目。優勝決定戦への進出を決めた。昨年11月の九州場所中の稽古で左膝を負傷。年が明け1月中旬に骨の除去手術をした。3月の春場所と2場所連続全休明けで迎えた今場所。「場所前から三段目との稽古も、しっかり出来ていた」という自信もあり「前に出る相撲が取り切れた」と話した。ほぼ満員の観客で埋まりそうな千秋楽の優勝決定戦は「めちゃくちゃ緊張しやすい性格だからガチガチになりそう」と笑うが「捨て身で行きます」と初の各段優勝を目指す。

その隠岐の浜が勝った19番後、栃神山が全勝対決で西14枚目の寺沢(23=高砂)を送り出しで破り、優勝決定戦への切符を手にした。豪栄道、貴景勝の両大関はじめ今や一大勢力となった埼玉栄高OB。埼玉・入間市から両親が、当日券を求めて始発で来場しているとあり「そんなことまでしてくれた親の前で負けるわけにはいかなかった。千秋楽も来ると思うけど、今日、寺沢さんに勝ったので(決定戦も)負ける気がしない」と、優勝のプレゼントで何よりの親孝行を土俵で見せる意気込みを示した。