日本相撲協会は24日、来年1月の初場所(12日初日、東京・両国国技館)の番付を発表し、朝乃山(25=高砂)が新関脇に昇進した。

来年12月で定年を迎える師匠の高砂親方(元大関朝潮)が日本出身の横綱誕生を期待する中、東京・墨田区の部屋で会見を行った朝乃山は「親方の期待に近づけるように頑張りたい」と意欲。千代の富士以来となる、新関脇から1年以内(所要6場所)の横綱昇進を目指す。

   ◇   ◇   ◇

クリスマスイブの朝、師匠に「関脇昇進」のプレゼントを届けた朝乃山は、謙虚な姿勢を貫いた。平幕だった秋場所、新三役だった九州場所と2場所連続の2桁白星。初場所の成績次第では大関昇進の可能性もあるが「来場所(初場所)2桁勝たないと意味がない。先のことは考えずにいきたい」と、安易な言葉は口にしなかった。この日の会見に同席した高砂親方も「(大関昇進の可能性は)あると思うけど、一足飛びに2桁は勝てない。1日1日をしっかり取り切ってほしい」と、地に足をつけるよう促した。

師弟の夢が実現すれば、年6場所制が定着した58年以降では史上3人目の快挙となる。「東京朝乃山後援会」が発足した20日、都内で行われた「発足を祝う会」に師弟で出席した。過去にモンゴル出身の元横綱朝青龍を育てた高砂親方は、壇上でのあいさつで「和製の横綱で、一緒に花を咲かせたい」と発言。朝乃山にとって、初めて横綱を期待する声をかけられた。師匠の定年まで残り1年。新関脇から1年以内で綱とりに成功したのは北の湖、千代の富士(ともに所要5場所)の2人だけ。大横綱級のスピード出世に挑戦する。高砂親方は「自信を確信に変えたとき、もう1つ上の番付に上がれる」と強調した。

「上にいくには気持ちも技術も重要。全て磨きたい」と朝乃山。20年の主役候補は、20日を切った勝負の初場所に向けてスイッチを入れた。【佐藤礼征】