大相撲秋場所を全休した横綱白鵬(35=宮城野)が20日、約3カ月ぶりに相撲を取る稽古を行った。東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古に参加。関脇御嶽海を指名して三番稽古を行い、22勝1敗と圧倒した。四つに組み止めて一方的に寄り切れば、豪快な上手投げも披露。蹴返し、外四つからクレーン車のようにつり上げる場面もあった。稽古で相撲を取るのは7月場所前以来。稽古後の代表取材では開口一番「30番いきたかったな!」と物足りない様子で、表情も明るかった。

8月に内視鏡手術を受けた右膝の状態もまだまだ回復途上だが、11月場所(8日初日、東京・両国国技館)出場に向けて1歩前進する稽古内容だった。「今日は気分がいいね。相撲を取れたというのがね。今日稽古できたというのが、ひとつ前に進んだというのがありますね」。相撲勘を取り戻すように、多彩な技を繰り出したが「内容と言うより番数。相撲勘、土俵勘、押していく、離れていく、その土俵の中の円の動きというのかな? そういうのを意識した。痛みが少しずつ消えていっているという証拠かもしれませんね」と説明した。

計6日間の合同稽古も残り2日で、新大関の正代との稽古にも意欲をのぞかせている。「まあ明日か明後日でしょうね。でもあまり言うと、来なくなるかもしれない」と不敵な笑み。2場所連続休場中の横綱が、復活に向けて好感触をつかんだ。【佐藤礼征】