大相撲の関脇隆の勝(26=常盤山)が10日、心技体での成長を実感した。都内の部屋での稽古後、代表取材に対応。春場所では平幕で12勝、11月場所では新三役で勝ち越すなど、飛躍を遂げた1年について「本当にうれしい。昔の自分じゃ考えられないところもある」と話した。

11月場所では7日目から3連敗を喫して「心が折れかけた」というが、立て直して14日目に勝ち越しを決めた。家族からの声掛けにも救われたといい「気持ちの面で大きく変わったことがいい方向につながった」と振り返った。

本来の突き押し相撲に加えて、磨いてきた右差しも躍進を支えた。「相撲内容、相撲の幅が広がった。そこが一番。(右の使い方も)習得できた」。旧貴乃花部屋の力士が移籍してきて約2年。大関貴景勝と三番稽古を繰り返すなどして「体の力も成長した」と馬力もついた。

初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)へ、三役で2桁勝てば大関とりの起点となる。「(大関は)目標としてはあるけど、考えすぎないことが一番。稽古場の相撲が取れれば(12勝した)3月みたいにいい相撲が取れるんじゃないかと思います」。成長著しい26歳が「次期大関」に名乗りを上げる。