史上ワーストの89連敗の記録を持つ、東序ノ口28枚目の服部桜改め勝南桜(しょうなんざくら、22=式秀)が、改名して最初の一番に臨んだが、西序ノ口27枚目大陸山に敗れて一昨年初場所の6番相撲から76連敗となった。

地元への思いと将棋界のスターから取ったしこ名で心機一転となったが、白星にはつながらなかった。立ち合いが合わず、2度目で成立。「冷静になって取れた」と動揺はなかったが、相手の当たりにはじき返され、そのまま押し倒された。

15年九州場所の序ノ口デビューから「服部桜祥多」のしこ名で、1年後には「服部桜太志」に改名したが、今回は思い切った改名となった。場所前に自ら、師匠の式秀親方(元前頭北桜)に改名を申し出たという。「しょうなん」は「地元の名前を入れたかったから」と、生まれ育った神奈川県茅ケ崎市から。師匠の提案で「勝」の字を入れた。改名のタイミングについては「先場所うちの部屋で変えた力士もいる。心機一転と思って」と説明した。

下の名前「聡太」は将棋の高校生プロ、藤井聡太2冠から取った。「自分も少し将棋が好きなので。小学校のときは祖父と一緒にやっていた」と勝南桜。今でも「携帯の将棋アプリでやっている」という。“天才棋士”にあやかり、再出発を期す。

今年の目標は「とにかく勝ち越すこと。勝ちにこだわりたい」。通算3勝210敗となったが「今年で通算10勝くらいはあげたい」と意気込む。最後の白星は、昨年初場所の5番相撲。「自分は右四つが得意。右四つで前にどんどん出る相撲を取りたい」と意気込んだ。