3大関総崩れの一方で、きっぷのいい押し相撲の大栄翔(27=追手風)と阿武咲(24=阿武松)が、ともに3連勝。早くも役力士の全勝が消えた今場所の、台風の目になりそうな平幕コンビに、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「乗っている時の2人の対戦が見たいね。立ち合いで、どんな当たりをするのか見てみたい」と興味津々の様子で期待した。

大栄翔は3大関撃破、阿武咲も2関脇と1小結と役力士に全勝。阿武咲については「この3日間、初日から最高の相撲を取っている。去年の相撲教習所での(合同)稽古も全部行った。その意気込みがうれしい。やる気が結果に出ている。立ち合いで迷わず持って行けるという自信がついている」と褒めた。一方の大栄翔についても「調子がいいから(正代より)先に動いている。ここまでは負けて元々と思い切って行けた。三役との対戦があるが(今後も)気持ち的に受け身にならないように」と期待。「2人とも立ち合いの思い切りがいい。変にまとまっていない」と期待を寄せた。

◆平幕力士の3日連続大関撃破 昭和以降では大栄翔が18人目。初日から3日連続撃破は、08年九州場所の西前頭2枚目若の里(初日から琴欧洲、琴光喜、魁皇)、19年初場所の西前頭2枚目北勝富士(同栃ノ心、豪栄道、高安)に続いて3人目。平幕の4日連続撃破は、10年夏場所の西前頭2枚目栃ノ心(2日目から日馬富士、琴欧洲、琴光喜、魁皇)のみ。