盤石の強さで、白鵬(36=宮城野)と大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が全勝をキープした。

白鵬は千代大龍(32=九重)を、右足から踏み込みこの日は張り差しでなく右から、かち上げ気味に立った。距離を取っての突き押しで冷静に対応。右から頭をはたいて千代大龍の一瞬の隙をつくと、左上手をアッという間に引き、万全の体勢で寄り切った。一方の照ノ富士は隠岐の海(35=八角)に対し、左を差し右を抱えながら圧力をかけ寄り切った。

ともに危なげない相撲に協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は、白鵬について「腰の構えがいい。右足を1歩、前に出して(千代大龍に)押させない、はたかせないという構えがいい」とし「万全じゃないですかね」と、日に日に安定感が増す横綱相撲を評価した。また、照ノ富士についても「立ち合いから押し込んでいるから余裕がある。逆に自分十分だから(相手には)まわしを取らせない」と分析。この日は左四つの体勢だったが「今場所は、どちらの四つでも(相撲を取れる)という形。流れがいい」と対応力の高さも好調の要因と説いた。白鵬と並走の展開に「白鵬も全勝しているから、そういう意味で(優勝や綱とりを)意識しないでいい。先頭を走っていたら意識するだろうけど」と照ノ富士にとっては理想の展開であると読んでいた。