NHK大相撲解説者の北の富士勝昭氏(79)が、14日目の白鵬の取組について苦言を呈した。

NHK大相撲中継の幕内解説を務めた北の富士氏は番組の冒頭、14日目の白鵬戦についてコメントを求められると「あきれて物が言えんな」と一言。白鵬は14日目の正代戦で、仕切り線から大きく離れて立ち合い、張り手を交えながら勝った。

太田雅英アナウンサーが「やはり、右膝は万全ではないんだなということがうかがえたかと思いますが」と話を振ると、北の富士氏は「それでもやってきたわけですよね、いい相撲でね。ああいう相撲を取らなくても取れる。やっぱり、いけませんよね」「なんとしてでも勝つって、今まで圧倒しているんだしね。一番勝負ですから何が起きるか分からないけど、44回優勝した大横綱がやっていいことと悪いことがあるんじゃないかと思いますよ」などと意見を述べた。

同時に、NHK大相撲解説者の舞の海秀平氏は「それとですね、これまで歴代の横綱が守ってきた伝統とか価値観が壊れてしまいますよね、昨日のような相撲を取られると」と続けた。

太田アナが「こういう厳しい声があがるのも横綱も分かっていると思いますが…」と指摘すると、北の富士氏は「おそらく承知していると思う。それだけにタチが悪い」と厳しく言った。

太田アナは「乱暴な相撲でした。ここまでした以上は全勝をかけた素晴らしい相撲を結びに期待したいところです」と、全勝優勝がかかる結びの白鵬-照ノ富士戦に目を向けた。