大相撲の連敗記録を持つ序ノ口の勝南桜(しょうなんざくら、23=式秀)が7月の名古屋場所を最後に引退したことが25日、分かった。今月7日に茨城・龍ケ崎市の部屋で断髪式を行い、引退届も提出済み。先場所更新した自身が持つ連敗記録「104」を止められず、土俵に別れを告げる。

引退は本人から申し出た。電話取材に応じた師匠の式秀親方(元前頭北桜)によると、7月場所直後に相談を受けたという。「『体力の限界』『引退をしたい』と。私としてはまだまだ頑張ってほしかったが、彼の気持ちを受け止めた」と、弟子の決断を尊重した。

15年秋場所の初土俵から通算3勝238敗と白星は重ねられなかったが、師匠はその過程を評価する。「負けても負けても挑戦していったことに彼のいいところがあるし、素晴らしさだと思う。土俵では連敗記録が目立ったかもしれないが、稽古場で朝一番早く土俵に降りてきて、一生懸命稽古して、掃除やちゃんこ番、あいさつ、礼儀を彼なりに頑張ってきた」と強調。現在は神奈川の実家に戻っており、第2の人生に向けて準備を進めているという。師匠は「まだ若いのでね。まずは実家で体を休めて、焦らず頑張ってほしい」とエールを送った。

◆勝南桜聡太(しょうなんざくら・そうた)本名・服部祥多。1998年7月16日、神奈川県茅ケ崎市生まれ。「服部桜祥多」のしこ名で15年秋場所で初土俵。21年初場所で「服部桜太志(ふとし)」から「勝南桜聡太」に改名。下の名前は将棋の藤井聡太二冠にあやかった。更新中だった連敗記録「104」は19年初場所の6番相撲から始まった。自己最高位は東序ノ口9枚目。身長180センチ、体重90キロ。得意は右四つ、寄り。