返り入幕3場所目を迎えた東前頭7枚目の宇良(29=木瀬)が、稽古休みだった3日、報道陣の電話取材に応じ、幕内上位復帰を目指す大相撲九州場所(14日初日、福岡国際センター)に向けた意気込みや近況などを語った。

東前頭6枚目まで番付を上げた先場所は、惜しくも7勝8敗で負け越し。それでも残り3日を全勝し、番付降下を最小限の1枚にとどめた。4年ぶりの金星を狙った横綱照ノ富士戦も善戦し、館内をわかせるなど、屈指の業師としての面目躍如。その先場所を振り返り「やはり上位の壁というものは感じますね」と話しつつ、来場所に向けては「元気な相撲を取りたい。もちろん勝ち越しを目指して頑張りたい」と前向きな姿勢は忘れなかった。

先場所の反省を九州場所で生かすべく「(秋場所で)星を落とした相手は、やっぱり幕内をずっと上位でキープしている。そのような相手に及ばなかった。もっと力をつけないとダメ、地力が足りないと思った」と現状を分析した。

2年ぶりの福岡開催の九州場所。2年前はケガで番付を落とし、西序二段106枚目で土俵復帰した場所だった。「復帰した時(の6番相撲の全勝対決で)千代虎に負けたんですよね。思い出しました」と宇良。あれから2年で幕内に戻ってきたことには「けっこう最短に近い感じで上がれたかなとは思うんですけど、それでも長かったですよね」と振り返った。

対戦がなく引退した横綱白鵬(現間垣親方)については巡業の稽古で、胸を出してもらった思い出がよみがえる。「怖かったですよ。力の差は、すごくありましたし」と話すが「特に自分が話せるようなことは、ないですよね」と多言は避けた。

11日後に迫った初日に向けて「少しずつ場所用の相撲にシフトしていきたい」と稽古も本格的になりそう。ミニマリストとして福岡に運ぶ荷物も「今回も、うまくいきました。荷造りがもうシャシャっと。(あとは)スーッと体を九州に寄せるだけですね」と、こちらも順調なようだ。