大相撲初場所(9日初日、東京・両国国技館)で幕内復帰2場所目となる西前頭6枚目の阿炎(27=錣山)が、2022年も“改心”をテーマに掲げた。

初場所の取組編成会議が行われた7日、報道陣の電話取材に対応。「自分的にはまだまだ変われると思っているので、もっと変わって、いろんな人が認めてくれるような人間になりたい。今年も、またそこを目指していきたい」と新年の抱負を語った。

激動の2年間だった。20年の7月場所前などに新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、出場停止処分を受けて一時は幕下まで陥落。昨年3月の春場所で復帰し、2場所連続の幕下優勝を果たして関取に復帰した。8場所ぶりに幕内で相撲を取った昨年11月の九州場所では、12勝3敗の好成績を残して3度目の敢闘賞を受賞。22年は20年初場所以来の三役復帰にも期待がかかる。

かつてはやんちゃな性格で知られ、奔放な発言も目立ったが、現在は取材などにも落ち着いた口調で対応。「本当に反省もしたし、次に自分がどうするべきか考える時間もいただいた」。ガイドライン違反、謹慎生活を境に、改心した姿を見せている。

一方で“キャラ変”は否定した。場所中、笑顔などの表情の変化が少なくなったことを指摘されたが「普段はそんなに笑顔が減ったりとかはない」と強調。「稽古場とか場所では考えることが多いので、そういう(笑顔が少ない)感じ。笑顔が減ったのは確かかもしれないけど、故意的にやってるわけではなくて自然とそうなってしまってる」と説明した。

家族との別居生活は継続中。20年6月に一般女性と結婚して第1子の長女も誕生したが、謹慎処分により協会から住居を錣山部屋へ移す条件が付けられて自宅を離れた。幕内で勝ち越した先場所後に、家族との同居を再開するプランもあったが「子どももいるので、ある程度の条件がつくじゃないですか。部屋の近所で探してたので、まだ家が見つかっていなくて」と、物件選びに苦戦している。

「キッチンだったら、子どもの背丈が届かないようなのがいいし、嫁が言っていたのは、子どもはベランダがあると怖いので、そのベランダの壁の長さとか柵の幅とかも気にしてるみたいで。事故が起きないような部屋にしたいと」。夫人の「ゆっくり探そうよ」という意見もあり、現在も錣山部屋で生活中で、新住居は初場所後にリサーチするという。