「おにぎり君」の勢いが止まらない!西前頭4枚目の隆の勝(27=常盤山)が一山本を押し出しで退け2敗をキープし、単独首位を快走する。4日目から負けなしと連勝街道を続け、自己最長の9連勝。鍛えぬいた出足の速さを武器に戦う中で残り3日。混戦の夏場所で初優勝に向けまい進する。1差の3敗に横綱照ノ富士、平幕の宇良と35歳ベテラン佐田の海の3人が追う。

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まん丸とした顔と癒やし系の笑顔で「おにぎり君」の愛称で親しまれる隆の勝が充実感をにじませた。一山本に完勝しての10勝目。2桁に白星を積み重ねたのは、幕内では昨年の九州場所以来となる5度目だ。「(白星が)2桁に乗れたので良かった」と声を弾ませた。

初顔合わせとなった相手の強烈な突き放しを警戒しながら、自分の相撲を貫く。素早い出足から一気に前に出た。一山本のはたきを物ともせず押し出した。わずか2秒の決着。「本当に調子が良い。いつも以上に気が楽というか、落ち着いて相撲を取れている」と納得の内容が続いている。

関脇として臨んだ初場所は7勝8敗、小結だった先場所は4勝11敗と負け越し、平幕に落ちた。場所前は三役復帰に向け、押し相撲の原点でもある出足の速さに改善を図ろうと、稽古に励んだ。「『踏み込みはどっちの足から』と口に出しながら意識させるため、自分の部屋に目標を紙に書いて毎日見るようにしました。意識しないと変わらないと思ったので」と自分なりの努力を続けた。成果は結果として出ている。

千秋楽まで残り3日。疲労がたまる時期だが「よく眠れてます」。続けて「良い感じの疲れ。ちゃんと寝られているし、回復できています」と体調に不安はない。「周りからはトップなんだって言われますけど、そこは考えてない」。初優勝に向けて重圧がのしかかるが、磨き上げてきた自分の相撲だけに集中する。【平山連】

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