大相撲の元大関で、現在はタレントとして活動する小錦八十吉さん(58)が18日、東京・代々木の山野ホールで「小錦来日40周年パーティー」を開いた。パーティーには日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)、武蔵川親方(元横綱武蔵丸)、3代目横綱若乃花の花田虎上氏、小錦をスカウトした元関脇高見山の渡辺大五郎さん、プロレスラーの藤波辰爾らが出席。現役時代、16勝16敗と互角に渡り合った八角理事長が「大変な苦労があったと思う。これからも小錦をよろしくお願いします」とあいさつし、乾杯の音頭をとった。

夕方からのパーティーを前に小錦さんは、集まった報道陣に取材対応。「力士になって、日本人になって本当に良かった」「日本に感謝とありがとう」など、感謝の言葉を並べた。

「40年ですね。40年前の、まさに今日です」。ちょうど40年前の82年6月18日、同じハワイ出身の高見山(元関脇、のち東関親方)にスカウトされた小錦さんは、日本に初来日した。最大285キロあった巨体から繰り出す突き、押しを武器に、わずか2年で新入幕。外国出身初の大関昇進も果たし、幕内優勝3度も経験した。最後の蔵前国技館の場所で金星2つを含む12勝を挙げるなど、当時は「黒船来襲」とさえ言われるほど圧倒的なパワーを発揮した。

現役引退後は部屋付き親方を約1年、務めた後に日本相撲協会を退職。ミュージシャンやCM出演などタレントとして活動中。退職からも24年がたつが「相撲愛」は変わらない。愛される人柄から、この日のパーティーは所属するKP社の自分を含めた社員5人に、全国から集まった現役時代の付け人や裏方さんら約20人が集まり、2月から準備してきた記念に日に、たどりついた。「日本の職人の素晴らしさ、文化。今日のために甚句も作ってくれた。実は全て(会場の設営など)手作り。みんな元力士。デザインも業者には頼んでいないんだ」と胸を張って話した。

相撲界への提言もある。「オオタニ(大谷翔平)を見たら、みんな野球をやりたくなる。もっと(相撲も)クオリティーを上げないと。500人より200人のトッププレーヤー(の組織)にするとか」と話しつつ「でも相撲は文化。彼らのために何とかならないかな…」と思案にも思いをはせる。同じ高砂一門の大関経験者で、大相撲名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)で出場停止処分が明ける朝乃山(高砂)についても言及。「強い大関に戻るために、きのうまでのことは忘れて前を向いてほしい。あとは本人がコントロールするしかない」とエールも送っていた。