幕下1ケタの上位から今場所こそ関取復帰を決める-。日本相撲協会は31日、大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。大関経験者で6場所連続出場停止処分が明けた7月の名古屋場所で三段目優勝(7戦全勝)、東幕下15枚目の先場所は6勝1敗で再十両を逃した朝乃山(28=高砂)は、東幕下4枚目の番付で土俵に上がることになった。

7戦全勝なら文句なしで、また勝ち越せば星数や番付運によっては、来年1月初場所は、休場処分中だった今年初場所(東十両4枚目)以来の関取復帰を果たすことが可能となる。

先場所は、5戦全勝で迎えた6番相撲で、攻め込んだ土俵際の詰めを誤り勇磨(24=阿武松)に、よもやの逆転負けを喫した。7戦全勝なら関取復帰を果たしていただけに、朝乃山にとっては悔やんでも悔やみきれない黒星となった。令和に入って幕下15枚目で6勝1敗だった力士は時栄(21年春場所)と湘南乃海(22年名古屋場所)の2人いて、それぞれ翌場所は東幕下4枚目、西幕下5枚目。朝乃山も順当な番付となって今場所を迎える。

朝乃山は、日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、大関時代の昨年名古屋場所から6場所出場停止処分を受けた。その名古屋場所は、かど番大関だったため秋場所は関脇、九州場所は平幕の西前頭10枚目に番付を落とした。今年初場所では、17年秋場所から維持していた幕内の座からも陥落し、4年半ぶりの十両となる東十両4枚目に番付を降下。3月の春場所ではついに幕下に陥落(西幕下2枚目)し、関取の座も失った。全て全敗扱いのため、西幕下2枚目から5月の夏場所は同42枚目に降下し、7月の名古屋場所は東西で各90枚目まである三段目の西22枚目に位置されて復帰の土俵に臨んだ。

その名古屋場所は、しこ名の「朝乃山英樹」の、下の部分を「朝乃山広暉(ひろき)」と本名に変え心機一転で再起の土俵に上がり、危なげなく7戦全勝で優勝を果たした。東幕下15枚目で臨んだ、勝負の秋場所は前述の通り。今回臨む幕下上位には、関取経験者が名を連ね、幕下上位でもまれた若手も十両昇進を果たすべく、手ぐすね引いて待ち構える。大関経験者の朝乃山とはいえ、気の抜けない土俵が続きそうだ。先場所、十両だった部屋の朝乃若が西幕下4枚目に陥落し、部屋頭に戻った朝乃山が、1場所で部屋の関取不在にストップをかけられるか注目される。