昭和以降最速、1場所で新十両昇進を果たした西十両14枚目の落合(19=宮城野)が、朝乃山(高砂)の上手投げに屈し5敗目を喫した。

大関経験者を相手に1歩も引かなかった。土俵際に押し込まれてもしっかりと残り、すぐさま反撃に転じた。もろ差しとなって体を密着させながら今度は逆に土俵際へ追い詰めた。一進一退の攻防。息の詰まるような熱戦を演じたが、最後は朝乃山のうまさが光った。落合は「絶対勝つという気持ちでした。負けたことが悔しいです」と肩を落としつつ、「朝乃山関に絶対に右を差させないことはできたので、そこは良かった」と手応えも得た。

先場所、幕下15枚目格付け出しデビューで7戦全勝優勝して破竹の勢いで関取の座まで上がってきた。今場所でもその力を存分に発揮。順調に白星を積み重ね、9日目に勝ち越しを決めた。一時は優勝争いに絡んでいたが、10日目に同世代の20歳の熱海富士、11日目に逸ノ城、12日目に豪ノ山と3連敗。足踏みが続いた。「もう1度心をリセットして、初日だと思って上がっている」という中で、13日目に對馬洋から勝利を収めて連敗を脱出。勢いそのままに14日目に荒篤山を退け白星を2桁に乗せた。

朝乃山に敗れ11勝目を逃したが、十両として臨んだ初めて場所で10勝5敗という堂々たる成績。師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)が新十両だった04年初場所(9勝6敗)の成績を上回った。

新十両場所について「全てが勉強になりました」。場所前には15日間相撲を取れる楽しさを口にしていたが、「楽しみという言葉がふさわしくなかったと思っています。本当に命がけじゃないと勝てないと痛感しました」。

「勝ちたいという思いが強い。また次の場所に向けて今からが勝負だと思っているんで。もっと大勝ちしたいというよりはもっと強くなりたい」

相撲界に現れた“令和の怪物”。来場所どんな活躍を見せるのか期待が高まる。

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