日本相撲協会は29日、エディオンアリーナ大阪で大相撲夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、藤青雲(25=藤島)と時疾風(26=時津風)の新十両2人を含む十両昇進力士3人を発表した。再十両は2場所ぶりに復帰の千代栄(32=九重)だけだった。

実業団をへて入門した藤青雲は、明治大出身では元幕内武雄山の山分親方以来、23年ぶりの新十両となる。「(山分)親方をしたって藤島部屋に入ってよかった。関取の自覚を持っていきたい。少しずつ手本になれるような力士になっていきたい。稽古して体も大きくして準備していきたい」と意気込みを語った。

この1年、関取昇進のチャンスがある幕下15枚目内にいながら、なかなかつかむことはできなかった。師匠の藤島親方(元大関武双山)は「歯がゆかった」とはっきり言い、「これからが大変。番付が上がるほど厳しくなる」とハッパをかけるように言った。

課題は自覚している。「地力はついてきたと思うが、精神的な面が弱い。そこに打ち勝つために頑張ってきた。稽古も集中してできるようになった」。精神面克服へ、ひたすらぶつかり稽古をこなす。藤島親方も「まだ迫力がない。それがないと上にはいけない。泥だらけの稽古しかない」と厳しく言った。

「後悔するより、夢を追いかけたかった」という大相撲への挑戦。「何回かはね返されたが、2年で上がれてよかった」と喜びは一瞬で、関取デビューに向けてただ精進していく。