日本相撲協会は4日、東京・両国国技館で春場所の新弟子検査を行い、元関脇黒姫山(故人)の孫、藤原海斗(15=時津風)が、受検した。

計測の結果、181センチ、151キロ。身長167センチ以上、体重67キロ以上(中学卒業見込み者は165センチ以上、65キロ以上)の体格基準を楽々とクリアし、内臓検査の結果を待つことになった。

藤原は相撲経験がなく、両国中時代は吹奏楽部でチューバを担当していた。それでも祖父は現役時代、蒸気機関車(SL)の代名詞「デゴイチ」の異名を取った、立ち合いの強烈なぶちかましからの押し相撲が代名詞。182センチあった祖父の血を受け継ぐ立派な体格に、相撲の町、両国で育ち「家から近かったので」と、最寄りの時津風部屋の門をたたいた。「優しくも厳しかった」という祖父からは、生前「(相撲界に)入るなら、中学卒業後に入った方がいいぞ」と、小学3、4年ごろに言われていたという。その言葉通り、たたき上げ力士の道を歩むことに決めた。

同じく黒姫山の孫としては、18年夏場所と5年早く初土俵を踏んだ、6歳上の幕下田中山(境川)に次いで2人目の相撲界入りとなった。いとこにあたる田中山には、入門したと連絡はしていないという。まずは田中山の番付を追いかけていく。「祖父の存在はあるけど、気負わないように、自分の道でやっていきたい」。相撲経験がない中、小学生時代に出場した、わくぱく相撲では地域大会で優勝もしたという。潜在能力の高さは折り紙付きだ。