大相撲の春巡業が28日、千葉・成田市で行われ、関脇霧馬山(27=陸奥)が、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)の大関とりへ、順調な仕上がりを披露した。朝稽古の幕内申し合いでは、最多の14番取って、6連勝を含む11勝3敗。ともにモンゴル出身で、互いにライバル視する関脇豊昇龍には「熱くなっちゃった」と、特に闘志むき出しの激しい相撲で3勝1敗だった。3月の春場所では初優勝し「お客さんの声や拍手が多くなった」と、今後への期待を感じながら、好内容の稽古に胸を張った。

初場所で11勝、春場所で12勝を挙げ、大関昇進の目安とされる「三役で3場所33勝」には、来場所2ケタ白星で到達する。春場所中に傷つけた、右ふくらはぎが化膿(かのう)した影響で、春巡業は前半を休場。だが15日から合流し、精力的に稽古している。今月24日には27歳の誕生日を迎え、この日、27歳の目標を問われると「最高な年にしたい」と、笑顔で話した。大関とりの来場所の目標も「1日1番。まずは勝ち越し。次に2ケタ」と、気負いはない様子だ。連続優勝への思いを問われると、いたずらっぽく笑みを浮かべた後に「最初から優勝を狙うことはない。1日1番」と、自らに言い聞かせるように話した。

春巡業も残るは29、30日の2日間となった。5月1日には新番付が発表され、その後はコロナ禍以前と同様に、出稽古ができることが決まっている。「親方と相談して決めるけど、いろいろと行くと思う」。陸奥部屋には関取が霧馬山1人だけとあって、巡業後も実力者と稽古しながら、万全の状態に仕上げて夏場所に臨むつもりだ。