大相撲名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)の東十両4枚目の欧勝馬(26=鳴戸)が、新入幕を目指し2桁白星を目標に据えた。

30日、名古屋市内の部屋で稽古し、若い衆と21番取るなど精力的に汗を流した。「体の調子も良い。2桁を狙って幕内にいきたい」と宣言した。

昨年11月の九州場所は11勝4敗で十両優勝。一気に十両を突破するかに見えたが、初場所は7勝8敗、春場所は8勝7敗、夏場所は7勝8敗と成績が振るわない。昨年12月にトレーニング中に痛めた両肩が影響だった。

ひどいときには手を伸ばすだけでも痛みが走り、筋トレで使う左右のダンベルも各30キロから3キロに変更。「この番付では休めない」と休場する選択肢はなく、痛みが走っても病院に通いながらトレーニングに専念した。

今の体調は十両初優勝した11月の九州場所前に匹敵するという。口ぶりはうそではない。若い衆とはいえ、この日の相撲では四つにがっちりと組んだり、生命線の激しい押しを披露したり。稽古の様子からも順調な回復がうかがえた。

同じモンゴル出身のベテランの玉鷲を慕い、相談に乗ってもらうこともしばしば。38歳から「大事なことはその痛みを知って、どうするか」兄弟子の言葉も励みとなった。

肩の症状と向き合いながら、いかに調子を落とさず場所に臨むか。自ら立てた目標を遂行する上で鍵になる。【平山連】