日本相撲協会は30日、大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。

注目は大関経験者の朝乃山(29=高砂)。5月の夏場所で幕内返り咲きを果たすと12勝3敗、8勝4敗3休と連続勝ち越し。先場所は西前頭2枚目に番付を上げ9勝を挙げた。21年秋場所以来の三役復帰は三役の枠が空かず、お預けとなったが今場所は東前頭筆頭。勝ち越せば三役復帰を果たす番付となった。また宇良(31=木瀬)は西前頭筆頭で、こちらは自己最高位タイとなり、念願の新三役を射程圏にとらえた。先場所、貴景勝と優勝決定戦に臨んだ熱海富士(21=伊勢ケ浜)は、幕内力士では最大アップとなる番付を7枚上げ、西前頭8枚目。今場所も旋風が期待される。先場所2勝止まりだったベテラン玉鷲(38=片男波)は、幕内で降格最大となる9枚も番付を下げ、西前頭12枚目。玉鷲の前頭12枚目以下は16年名古屋場所(東前頭12枚目)以来、約7年ぶりで“鉄人”の奮起が待たれるところだ。

フレッシュな新入幕は4人が顔をそろえた。新入幕が4人は、13年夏場所(千代鳳、誉富士、東龍、大喜鵬)以来のこと。東白龍(27=玉ノ井)は、玉ノ井部屋からは13年夏場所の東龍以来、10年ぶりの新入幕で、東京都出身では昨年初場所の王鵬以来、戦後33人目。東洋大出身では若隆景以来、4年ぶりの幕内力士誕生だ。

美ノ海(30=木瀬)は、木瀬部屋からは今年春場所の金峰山以来で、沖縄県出身では06年秋場所の琉鵬以来、戦後5人目。日大出身では金峰山以来、41人目の幕内力士誕生となった。

狼雅(24=二子山)は、二子山部屋からは現師匠(元大関雅山)が18年4月1日に部屋を創設後としては初めての幕内力士輩出となった。ロシア出身では14年九州場所の阿夢露以来、6人目の幕内力士誕生だ。

北の若(22=八角)は、八角部屋からは16年九州場所の北勝富士以来の幕内力士誕生。山形県出身では13年春場所の大岩戸以来、戦後8人目の輩出となった。

再入幕の友風(28=二所ノ関)は19年九州場所以来、23場所ぶりの幕内復帰。膝の大けがから7場所連続休場し、一時は西序二段55枚目まで番付を下げた。幕内経験者が序二段に陥落後、再入幕を果たしたのは照ノ富士、宇良に続き3人目の復活劇となった。再入幕のもう一人は先場所十両優勝の一山本(30=放駒)で、こちらは3場所ぶりの復帰となった。

既に発表されている十両昇進は3人。ただ一人の新十両の日翔志(26=追手風)は、追手風部屋からは17年名古屋場所の翔猿以来の関取誕生で、東京都出身では昨年夏場所の栃丸以来、戦後53人目の新十両。日大出身では、今年名古屋場所の輝鵬以来、57人目の関取輩出となった。英乃海(34=木瀬)と勇磨(25=阿武松)は、ともに1場所での返り咲きを果たした。

なお、幕内在位70場所だった碧山(37=春日野)が、東十両筆頭に陥落した。これで春日野部屋は幕内力士が不在となったが、これは67年秋場所以来、実に約56年ぶりのこと。なお、今場所まで最も幕内在位を継続しているのは、64年九州場所から59年も輩出し続けている佐渡ケ嶽部屋となっている。

また、7場所連続で関脇に在位し、次期大関候補と期待されながら、3月の春場所で右膝に重傷を負い、4場所連続休場中の若隆景は(28=荒汐)は、十両から幕下に陥落(東幕下6枚目)。18年春場所以来の幕下で再起を目指す。

大相撲九州場所は、11月10日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。12日の初日を迎える。