東十両5枚目の大の里(23=二所ノ関)は、優勝決定戦の末に初の十両優勝を逃した。水戸龍との本割は、右を差して一気の寄り切り。12勝3敗とし、同じく千秋楽に勝って並んだ西十両筆頭琴勝峰との優勝決定戦に臨んだ。

優勝決定戦では、立ち合いから左上手を求めたが、逆に上手を許して振り回され、そのまま上手投げに転がり、ガックリとうなだれた。それでも好成績で、来場所の新入幕に大きく前進。日体大で2年連続アマチュア横綱に輝き、幕下10枚目格付け出しから5月夏場所で初土俵を踏み、所要4場所での新入幕となれば、同3場所で新入幕の遠藤、伯桜鵬に次いで、史上3番目のスピード昇進となる。

取組後、優勝決定戦を振り返り「負けたことがすごく悔しい。4番負けた反省を生かして、来場所に向けてまた頑張りたい」と、今後を見据えた。優勝同点で新入幕の可能性が高まったことについては「僕が決めることではないので何とも言えない」と、多くは語らなかった。

先場所も優勝の可能性があったが、千秋楽で敗れて12勝3敗に終わり、千秋楽で13勝に星を伸ばした一山本に及ばず優勝次点だった。ただ「去年の11月から考えたら想像もできなかった。相撲ファンとして九州場所を見ていたので」と、充実の1年だったと振り返った。「来年も頑張って、いい1年にしたい」。自己最高位を更新して迎える、来年1月の初場所への気持ちを切り替えていた。