日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を行い、関脇琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)の大関昇進を全会一致で承認した。この後、協会から送られた使者が千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋を訪れ、琴ノ若は昇進伝達式に臨む。

新大関誕生は昨年名古屋場所後の豊昇龍以来、半年ぶりで、春場所は1横綱4大関となる。4大関は21年名古屋場所以来。日本出身大関の誕生は、22年初場所後の御嶽海以来、2年ぶりとなった。佐渡ケ嶽部屋からは、11年秋場所後の琴奨菊以来、13年ぶり7人目。琴ノ若は千葉県松戸市出身で、千葉県出身の大関は、55年秋場所後の松登以来、69年ぶりとなった。

伝達式で最も注目されるのが口上だ。貴ノ花(後の横綱貴乃花)の「不撓(ふとう)不屈」、若ノ花(後の横綱3代目若乃花)の「一意専心」、琴奨菊の「万里一空」、正代の「至誠一貫」、最近では豊昇龍の「気魄一閃(きはくいっせん)」など、それまで聞き慣れない四字熟語も、用いられることがあった。

琴ノ若は今月行われた初場所で、13勝2敗の優勝同点という好成績を挙げた。ともに関脇の昨年秋場所で9勝、同九州場所で11勝。三役で3場所33勝という大関昇進目安に到達した。昇進が事実上決まった初場所の千秋楽から一夜明けた29日には、口上の内容については「当日のお楽しみ」と話していた。また、来場所から元横綱の祖父のしこ名「琴桜」に改名するのか、当面は師匠で元関脇の父から受け継いだしこ名「琴ノ若」のまま土俵に上がるのかについても「当日のお楽しみ」と話していた。

◆琴ノ若傑太(ことのわか・まさひろ)本名・鎌谷将且(かまたに・まさかつ)。1997年(平9)11月19日、千葉・松戸市生まれ。2歳から相撲を始め、埼玉栄高3年時に主将として全国高校総体で団体優勝。15年九州場所で初土俵。番付デビューの16年初場所で序ノ口優勝。19年名古屋場所新十両、20年春場所新入幕。23年初場所で新三役の小結に昇進。同年秋場所で新関脇。三賞は敢闘賞5回、技能賞1回。得意は右四つ、寄り、押し。父は元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方、母は元横綱琴桜の長女・真千子さん。189センチ、177キロ。血液型AB。