元幕内北青鵬の暴力問題に揺れる宮城野部屋の処遇について、師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)と部屋付きの間垣親方(元前頭石浦)と力士たちが、所属する伊勢ケ浜一門の同じ部屋に転籍する案が浮上していることが13日までに分かった。当初は親方、力士とも別々の部屋に移ることが検討されていたが、一転して部屋自体が吸収合併される可能性が出てきた。

一門内には宮城野部屋以外に伊勢ケ浜(元横綱旭富士)、朝日山(元関脇琴錦)、浅香山(元大関魁皇)、安治川(元関脇安美錦)、大島(元関脇旭天鵬)と5部屋ある。今後は一門内のどの部屋が受け入れるかに注目が集まる。将来的に部屋を再興する可能性はあるが、現時点でその条件はまったく見えない。

春場所前に発覚した北青鵬による弟弟子への暴力問題。監督責任を問われた師匠の宮城野親方は師匠を外され、同場所は玉垣親方(元小結智乃花)が師匠代行を務めている。日本相撲協会から4月以降の同部屋の処遇を預かった伊勢ケ浜一門は同部屋の閉鎖を前提に協議してきた。

10日には協議の末に挙がった複数案を協会執行部に提出。一門内の部屋付き親方を師匠に据えたり、元関脇旭天鵬が師匠を務める大島部屋など他の部屋に全ての力士を移す案などが含まれていた。親方と力士は別々の部屋という案が有力だったが、関係者によると、協会執行部から力士と親方をまとめての転籍を求められたため再協議に至ったという。一門の浅香山親方は「まだ何も決まっていることはない」と話すにとどめた。

◆宮城野部屋問題 2月23日に日本相撲協会の臨時理事会が開かれ、幕内北青鵬による弟弟子への暴力行為の監督責任を問われ、元横綱白鵬の宮城野親方が委員から親方衆の序列で最下位の年寄に2階級降格、3カ月の20%報酬減額の処分を受けた。「師匠としての素養、自覚が大きく欠如」と師匠を外され、今場所は「センセイ」の愛称だった元智乃花の玉垣親方が師匠代行を務めている。4月以降の同部屋の処遇に関しては、所属する伊勢ケ浜一門が決めるとされ、部屋閉鎖を前提とした複数案が同協会に提出されていた。