幕内2場所目、ざんばら髪の西前頭5枚目大の里(23=二所ノ関)は、大一番に敗れて2敗に後退し、トップとは2差に広がった。

新入幕で無敗の尊富士に敗れ、8勝2敗となった。11日目は、9日目を終えた時点で2敗の大関貴景勝と、結びの一番で顔を合わせることが決まった。新入幕だった先場所は、今場所と同じく9日目に勝ち越したが、割を崩して上位戦が組まれて3連敗し、優勝争いのトップから圏外へ。今場所は前日9日目に初の三役撃破となる、関脇若元春戦に勝利。先場所との違いを見せていたが、むしろ番付では下の相手に敗れ、初優勝が遠のいた。

自身は日体大で2年連続でアマチュア横綱に輝いた。対する尊富士は、1学年上の日大卒。高校時代から4度対戦し、2勝2敗だった。この日の朝稽古後、当時を思い出し、どちらかが圧倒する展開が印象的だったと明かした。プロに入ってからは「先場所、十両の相撲を見ていても強い。鋭いし、速い」と、持ち前の圧力に磨きがかかっている印象もある様子。警戒心は高まるが「余裕はないけど、この状況を楽しみたい」と話すなど、大物感を漂わせていた。

師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)はこの日の取組前に、尊富士について「三役以上の力はある」と、強敵と認識していることを明かしていた。続けて「うまく当たれば、でかいやつが勝つのが相撲」と、勝負の分かれ目として立ち合いを挙げていた。同親方は「大の里の完成度は10%ぐらい。鍛えがい、教えがいがある」と、未完成の部分が90%も残っているとして、将来性に期待。この日は敗れたが、優勝争いする中で、飛躍的な成長、急成長で2差をはね返す展開を期待している。

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