幕内2場所目の西前頭5枚目大の里(23=二所ノ関)は、ざんばら髪として初優勝の快挙の可能性を残して、千秋楽に臨むことになった。

初顔合わせの小結阿炎に勝って11勝3敗。直前の取組で尊富士が敗れて12勝2敗となり、110年ぶりの新入幕優勝がお預けとなっていた。2場所連続の11勝目。千秋楽は幕内で自己最多の12勝目、さらには他力本願だが、尊富士との優勝決定戦を視野に入れる展開となった。

前日13日目も初顔合わせの関脇大栄翔を破っていた。「番付が大幅に上がる中で2桁勝てたのは自信になる」と、西前頭15枚目だった先場所に続く、2場所連続の2桁白星を喜んでいた。初優勝の望みをつないでいたが、この日の朝稽古後は「優勝はないので。土俵下の1番いい場所から、ファン目線で朝乃山関と尊富士関の取組を見ることができるのは楽しみ」と、すがすがしい笑顔で話していた。「去年の今ごろ、ちょうど部屋に入った。その時を考えたら、1年後にまさか、幕内で最後まで優勝を争うなんて考えてもいなかった。まだ着物すら着たことがなかったので。まだ丸刈りにスーツでしたからね」と、1年間の成長をかみしめていた。

優勝の可能性が継続し、モチベーションは高いまま千秋楽を迎える。「先場所を上回る12勝を挙げれば、また1つ、アピールにもなる。三賞を目指したい」。尊富士の結果次第という優勝のことは考えていない。それよりも先場所の敢闘賞に続き、再び三賞を受賞して、来場所の新三役昇進の可能性を高めたい考えだ。

【大相撲春場所全取組結果】はこちら>>