東十両2枚目の尊富士(25=伊勢ケ浜)が、119日ぶりに復帰の土俵を快勝で飾った。
西十両筆頭の阿武剋を圧倒しての寄り切り。今年春場所で110年ぶりの新入幕優勝も、右足首付近の負傷で夏場所を全休し、今場所も7日目まで休場。大相撲の次代を担うホープが鮮やかに復活した。幕内は横綱照ノ富士が8連勝で勝ち越し。かど番の大関貴景勝は霧島に完勝で3勝目(5敗)と踏みとどまった。
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尊富士が大歓声に迎えられ、土俵に帰ってきた。今場所初めて大銀杏(おおいちょう)を結い、足の先まで真っ黒に日焼け。「すごい声援だった。優勝した時より注目されているかと硬くなったけど、自分を信じてやりました」。右足の影響をまるで感じさせない鋭い踏み込みから左差し。右を巻きかえ、もろ差しで寄り切る完勝だった。
春場所で新入幕優勝を飾るも、14日目に救急搬送される右足首付近に大けがを負った。気力だけで出場した千秋楽は豪ノ山を破り、賜杯を手にした。その代償は大きかった。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に出場の意思を伝えたのも直前だった。「あまり賛成な感じではなかったですけど。やるからには覚悟を決めないといけない」。体重143キロと体格的には決して恵まれていない尊富士の武器は気力。気持ちで痛みと怖さを封じ、白星をつかみ取った。
ここから白星を並べていけば勝ち越し、そして幕内復帰の可能性もある。しかし、尊富士は慎重に言葉を選んだ。「けがして半年もたっていない。稽古十分というわけでもないんで。無理せずやるだけですよ」。まだ復活の途上。それでも将来の大相撲界を背負う逸材が「お帰り」の第1歩を踏みしめた。【実藤健一】

