先場所優勝で、初の綱とりに挑んでいる大関大の里(24=二所ノ関)が、8連勝で単独トップに立った。同学年の前頭平戸海に、わずか2秒9で快勝。何もさせずに押し出した。前日7日目まで並走していた前頭伯桜鵬が敗れ、関取衆で唯一のストレート勝ち越し。同じ二所ノ関一門の理事で辛口の芝田山親方(元横綱大乃国)も「85点」と、合格点の内容で折り返した。

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横綱への思いの強さが、厳しい攻めに表れた。大の里は、体当たりの立ち合いで平戸海を吹っ飛ばすと、即座に前に出た。休まず前に出て押し出し。土俵際で腰を割り、逆転の隙を見せない完勝だった。大相撲に進んだのは自身が日体大卒業後で、平戸海は中学卒業後と7年違い。猛稽古で番付を上げてきた平戸海は、同学年とあって常に意識する存在だった。場所前、休日返上で出稽古したのも平戸海のもと。先場所までの対戦成績も3勝2敗だったが綱とり場所で圧倒した。

「相手が見えていたのでよかった。目の前の一番に必死なので、先のこと、周りのことは考えずにやりたい」。勝ち越しにも単独トップにも一喜一憂せず、冷静だった。この日、石川・津幡町の実家を出て、会場で観戦した父の中村知幸さん(49)も「慌てると弱気の虫が出る、いつもの場所とは違う。落ち着いて見ることができています」と、笑って明かした。引いて呼び込む悪癖が出ず、内容を伴っての8連勝を褒めた。

普段は辛口の芝田山親方も、今場所の内容に「ほとんど相手に相撲を取らせない状況。85点」と合格点をつけた。今月2日の稽古総見は、体調不良明けもあって6勝10敗。同親方は「横綱に向かう稽古?」と懐疑的だった。それが大の里の父と同じく安定感を評価し「相手が三役だろうが、大関だろうが関係ない。トランプ大統領が来ても関係ない。うまいやつを全部倒して(昇進が)太鼓判になるんじゃない」と、全勝優勝への期待をにじませた。大の里は「まだ半分。明日からも集中」と力説。手綱は緩めない。【高田文太】

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