西前頭2枚目の若元春(32=荒汐)が、立ち合い変化で通算3個目の金星を獲得した。横綱豊昇龍が低い姿勢で踏み込んできたところを、左に動いてヒラリとかわしながらはたき込んだ。わずか0秒5で、豊昇龍からは7月の名古屋場所に続き、2個目の金星を挙げた(もう1個は昨年初場所で照ノ富士から)。

取組後は「狙っていた。最近(豊昇龍に)持っていかれる相撲が増えてきていたので。先場所、横綱に負けてから考えていて、昨日の夜に決めた」と、計画通りだったと包み隠さずに明かした。ただ、普段は立ち合い変化が少ないだけに「自分が持っている手札の中では、自信がある方ではないので緊張した。結びの一番で緊張するというのはないのに、今日は緊張した」と、不慣れな分、見抜かれないかソワソワしていた内心も打ち明けた。

さらに、左に飛んだのも「左にしか動けないので」と、手の内まで明かしたのは、今後はいよいよ、繰り出す頻度が低いと思ってのことなのかもしれない。「自分の相撲で勝ったわけではない。作戦勝ちというだけ」と、金星の充実感は全く見せなかった。

「この勝ちで終わりじゃなく、この勝ちをつなげていきたい。明日以降に」。これで連敗を「2」で止めて2勝4敗とした。あまりイメージのない立ち合い変化を見せたことが、来場所以降の豊昇龍戦はもちろん、今場所の残りの取組でも、対戦相手に立ち合いの際に悩ませることになるかもしれない。ただ金星ではなく、今後も上位で取り続けるための、相手を惑わせる“種まき”も兼ねた金星となった。

全取組結果