日本ポニーベースボール協会の広澤克実理事長(61)は就任して7年目を迎えました。コロナ禍、野球人口の減少など難問続きでも、選手のために知恵を絞り、握手ができなければハイタッチや大きな拍手で励まし続けてきました。その成果が国内外で実を結んだ昨年を振り返りながら、50周年を迎える節目の抱負として「ポニーらしさ」を強調しました。また、令和を迎えて、外部からも高い評価を得る「ポニーの指導理念」の要旨を掲載します。
【共感者多い10箇条】
日本ポニーベースボール協会が創立したのは1975年(昭50)、川崎球場で第1回日本選手権が開幕した5月5日とされています。当時は前年に巨人長嶋茂雄選手が引退。Bクラスの常連だった広島が「赤ヘル旋風」を巻き起こし、セ・リーグ初優勝を果たすなど、野球界の流れが大きく変わり始めた年でした。その中で誕生したポニーは野球を通じて、スポーツマンシップと国際センスを持った健全な社会人の育成を目的に掲げ、国内大会に加え、日米親善大会など国際交流の場を設けてきました。
そして、指導者と選手、家庭、学校、地域の結び付きなどを10箇条にした「ポニーの指導理念」は、「ポニーの憲法」として、我々のよりどころとなっています。大きく変化した野球界ですが、戦前から続くスパルタ指導は消えていません。だからこそでしょう。我々の理念に共感したチームが年々増え、新たな仲間となっています。
昨年はアジアパシフィックゾーントーナメントを制したブロンコ、ポニー、コルトの日本代表がワールドシリーズに出場。ブロンコ、ポニーが優勝、コルトもベスト4の活躍でした。栃木・小山市で行われた第1回ガールズ・ワールドシリーズでもU-15代表が米国を破って初代女王となりました。
また、中学硬式野球5団体の夏の優勝チームで争われた第1回エイジェックチャンピオンシップでは、ポニー佐賀ビクトリーが、準決勝でリトルシニア代表の世田谷西シニアに競り勝ちました。甲子園で行われた決勝戦ではヤングリーグ、ボーイズリーグの代表を突破したフレッシュリーグ代表の佐賀フィールドナインと対戦。4-2で勝利して日本一の座に就きました。
直前の全日本選手権決勝戦で延長11回に及ぶ激闘を制した佐賀ビクトリーは、ポニー日本代表を率いた古澤豊監督をはじめ4人の選手がワールドシリーズを経験しました。ポニーで経験した国内外のビッグマッチが、彼らを心身とも大きく育てたのだと思います。
今年は全日本選手権開催中の7月23日に、協会創立50周年記念式典を東京・キラナガーデン豊洲で行います。雨なら屋内でも対応できるバーベキュー施設ですが、ぜひ晴れて欲しいと祈っています。全国の選手、指導者、スタッフ、応援してくださるスポンサーのみなさまとともに、楽しい時間を過ごしたいと思います。そして、数十年にわたりポニーに尽力をいただいた指導者、役員のみなさんを労うとともに、これからの50年の出発点にしましょう。(日本ポニーベースボール協会理事長・広澤克実)
【指導理念(要旨)「主役は少年たち」】
我々日本ポニーベースボール協会に所属する指導者は、野球の練習、試合をとおして選手たちを心身ともに鍛錬し「社会に役立つ未来の人材を育成する」という崇高なる使命感を持ち、米国ポニーベースボール指導理念を遵守することを誓うものである。また、我々は選手諸君共々、日本ポニーベースボール協会の国内はもとより、国際少年野球界に占める位置をさらに向上、発展せしめるよう努めるものである。このため、指導者の我々が自らを再教育し、選手をはじめ父母、学校、社会からいささかも非難されることのないよう下記条項にのっとり努力を重ねて前進する。
❶【ポニーの指導者は代償を求めてはならない】少年野球を指導する立場であり、代償を求めてはならない。
❷【ポニーの指導者は暴力を排斥する】真の指導とは心と心の触れ合いである。
❸【手段と目的を混同してはならない】勝敗を競うファイトの中に技術、精神面の鍛錬があり、社会に貢献する人材に成長する。
❹【ポニーの主役は少年たちである】選手たちの背後から常にアドバイスをし、温かく見守る。
❺【大人のエゴイズムで少年たちを傷つけてはならない】「地域社会、国家のために役立つ青少年を育成する大事業である」という自覚を新たにする。
❻【ポニーは、グランドでも会合でも「機会均等主義」である】自己の主張のみを通そうとする指導者は「破壊」のみで成長はない。
❼【選手の指導をとおして指導者自身が成長すべきである】自らを教育し、人格の向上を図る。
❽【選手は自分の所有物ではない】選手は宝物。指導者は自己権力のために野球を教えるものではない。
❾【常に感謝の心で会の運営に当たろう】他のチームに対しても感謝の気持ちがなければならない。
❿【協力者があってこそ会の運営が可能である】我々だけではこの協会の運営は不可能である。

