[ 2014年6月20日8時5分

 紙面から ]前半、同点ゴールを決めるオーストラリアのケーヒル(ゲッティ=共同)<W杯:オーストラリア2-3オランダ>◇1次リーグB組◇18日◇ポルトアレグレ

 敵の“お家芸”で魅せた。オーストラリア代表FWケーヒル(34)が、オランダ戦でスーパーゴールを決めた。先制されたわずか1分後の前半21分。後方からの右クロスに、落下点を見極め、ゴール左寄りから左足で豪快なボレーシュートを決めた。ドライブ回転のかかったボールがクロスバーをたたきゴールラインを割ると、コーナーフラッグをパンチするおなじみのポーズで喜びを爆発させた。

 ロングボールを豪快に決めるのは、歴代オランダ代表のストライカーの大きな特徴だ。「ファンバステンやファンペルシーを連想させる」とケーヒルが自賛したゴールは、88年の欧州選手権のソ連戦で、左クロスを右足で決めたファンバステン、今大会のスペイン戦で見事なヘディングゴールのファンペルシーをほうふつさせる、一発だった。「間違いなく、僕のキャリアでベストゴール」と断言した。

 前半43分に今大会2度目の警告を受け、スペインとの3戦目は出場停止。1次リーグで敗退する34歳のベテランには、W杯最後の試合となった。06年ドイツ大会の日本戦での2得点など、3大会連続ゴールで通算5得点。「人生で最も美しい瞬間を楽しめた。これで僕のW杯は終わったけど、チームを誇りに思う」。強烈なインパクトをファンの心に刻んだ。