シンガー・ソングライターを目指してきたNMB48の山本彩(23)が2日、名古屋市のZEPP NAGOYAで念願の初ソロツアー「Rainbow」をスタートさせた。

 ギターを手にした山本のシルエットが映った瞬間、2階席まで立ち見客であふれた会場は拍手と歓声の嵐に包まれた。

 約2時間のソロ初ライブ。同名初アルバム収録の自作曲「レインボーローズ」などで魅了。ライブではその楽曲への思いを語り、夢へ後押ししてくれたファンへ感謝の言葉を並べた。

 「この『レインボーローズ』は特別な楽曲です。私が皆さんに向けて書いたメッセージというか、曲です。虹色の花言葉は『無限の可能性』。(ソロライブが実現し)奇跡というか、思いをしっかりと形に残せてよかったです」

 6年前、あこがれのスターに、BoAとカナダ歌手アヴリル・ラヴィーンをあげ、NMB48に加入した。当初から「シンガーソングライター」を目標に掲げ、AKB48兼任時代もあり多忙な中、ギターの練習や自作曲を地道に蓄えてきた。取材や撮影の合間にも、ギターを手に曲を作り、練習する姿もたびたび、見受けられた。

 NMB48の絶対エースとして、テレビやライブで活動しつつ、自らのファンとの交流も大事にしてきた。ファンと夢の実現を共有してきたからこその感謝の言葉だった。

 さらに「この曲は初め、もっとキーが低くて、でもスタッフさんに聴いてもらったら『なんか、普通の曲』って。相談して、1音半あげたら、おかげで疾走感のある曲になりました。でも、正直、きついです」と裏話まで披露した。

 素のままでファンとつきあってきた山本らしいトークに、ファンも爆笑。「さやか」コールで迎えたアンコールでは、あふれそうになる涙をこらえる場面もあった。

 「グループに入る前から(ソロツアーは)夢に思っていて、入ってからはずっと口にしてきて、曲を書いてきて…。夢がひとつかない、幸せに思います」

 涙があふれそうになると、顔を天井に、ファンへ背中を向け「出る物はその日(独り立ち)までかな? とっときます」と、涙を我慢した。

 アンコール後にも再びマイクを持ち「皆さまからの愛にしっかりお返しするためにも、ライブを完走したい」とあいさつ。ステージを走り、最後には土下座ポーズも。NMB48のデビュー曲「絶滅黒髪少女」の振付にあったポーズで原点を思い、ファンに感謝を表現していた。