AKB48の53枚目シングル(9月19日発売)選抜メンバーを決める第10回世界選抜総選挙が16日、名古屋市のナゴヤドームで行われ、SKE48松井珠理奈(21)が初のトップ当選を果たした。

 松井はSKE48をやめようと思ったことが1度だけある。理由は単純。「デビュー当初、同年代の子が学業のためにやめちゃったんです」。思いとどまったのには、2人の人物の存在があった。1人は卒業した松井玲奈。「話したくないと思う時期もあったけど、玲奈ちゃんがいなかったら、張り合いがなくてすぐやめてたと思う」。同じ名字で、長くダブルセンターを務めたライバルの存在が、負けん気に火を付けた。

 デビュー当時、松井は姉妹グループながら、AKB48のシングル「大声ダイヤモンド」のセンターに抜てき。一方で「ゴリ押し」と批判も多かった。小学生の心は、傷だらけに。そんなある日の握手会、もう1人の救世主が現れた。父だった。

 「私の手を握って、『パパは一番のファンだからね』って言ってくれました。泣きすぎて、何と返したかも覚えてないです。でも、あの手の温かさだけは、絶対に忘れません」。【森本隆】