東日本大震災発生から、今月11日で10年が経過した。AKB48グループはYouTubeで「東日本大震災復興支援配信~誰かのためにプロジェクト2021~」を行って、発生時刻に、国内6グループの187人がリモートでつないで復興支援ソング「掌が語ること」を歌った。

同グループは震災発生当日に復興支援を目的とした「誰かのためにプロジェクト」を立ち上げた。同年5月22日に岩手・大槌町と山田町を柏木由紀ら6人のメンバーが訪れてから、定期的に被災地を訪問。豪雨災害などを含めて通算76回、メンバー162人、のべ712人が参加してきた。数多くの芸能人が、それぞれの形で支援も行っているが、これだけ継続しているグループも他にないだろう。

取材を含めて、プロジェクトに携わるスタッフや、被災地の方々の話を聞く機会もあったが、当初はエンターテインメントを受け入れることについての葛藤や、アーティスト側の「本当に行くべきなのか?」という葛藤がそれぞれあったという話も聞いた。それでも、アイドルが持つ力、音楽が持つ力で、人々が笑顔になる瞬間も、何度も見てきた。

どこかで思いをはせながらも、10年という月日で、少しその気持ちも薄れてしまうこともある。この日の配信では、これまでの同プロジェクトの活動を約1時間にまとめた映像を、ファンとともに、メンバーも見ていた。その姿から、グループとして向き合ってきたことも、配信を通じて感じられた。

メンバーでは最多となる18回、被災地を訪問した1期生の峯岸みなみ(28)は「私たちが行くことで、子どもたちが笑顔を見せてくれるのがうれしかったし、それを見ていた親御さん達も喜んでくれた。その子たちが大人になった時に、楽しい記憶として残っていてくれたらうれしいです」と話した。今後も同プロジェクトの活動を継続していくといい、これからもエンタメの力で、人々を笑顔にしていってほしい。【大友陽平】