9月24日に愛知・日本ガイシホールで卒業コンサートを行うSKE48の須田亜香里(30)と古畑奈和(25)のそれぞれのサービス精神に触れる場面があった。

須田は3期生、古畑は5期生。ともに、グループの中心でグループを支えてきたメンバーだが、共通するのは、「握手会の女王」と呼ばれるなど、ファンへの神対応で人気を得て、大切にしてきたメンバーということだ。その一端を、それぞれかいま見た。

かつて握手会で、レーンの端のぎりぎりまでファンと握手し、次のファンのもとにジャンプする「古畑ジャンプ」も話題になった古畑は先月26日、都内で写真集「感情の境界線」(光文社)発売イベントを行った。会見でのコメントも、こちらが見出しにしやすい言葉が多かった印象だった。本題はイベント後、同日に卒業公演を行い、親交が深いNGT48中村歩加(23)へのコメントを個別取材し、さらに写真集にもメッセージを入れてもらうと「ちょっと待っててください!」と便箋を取り出した。中村へのサプライズの手紙。「これも、ぜひ渡してください!」。内容は本人たちのみ知るが、後輩に対しても思いやりを持って接していることを感じ、その気遣いに驚かされた。

須田も先月28日、都内で行われた「『銀座六丁目、フライの家。』フィッシュライスバーガー発表会」にゲスト出演し、グループ卒業発表以降、初の公の場に登場した。この日はイメージキャラクターの小島よしお(41)とともに登場したが、小島のギャグも丁寧に拾って突っ込みつつ、バラエティー番組などでも「NGなし!」と言っているように、写真撮影で小島のギャグ「おっぱっぴー!」ポーズを依頼すると「こんな感じですか?」と、変顔こそなかったが、次々とリクエストに応える姿が印象的だった。

ともに握手会のみならず、劇場公演やコンサートでのパフォーマンスなど、さまざまな形でファンを楽しませて、魅了してきたことが分かるシーンだった。コロナ禍で以前のような握手会やコンサートの形は実現しないまま卒業を迎える可能性もあるが、この2人なら最高の形で、アイドルとファンとしての関係を昇華させるような予感もあり、卒業までの約3カ月の活動からも目が離せなくなりそうだ。【大友陽平】