人気米映画シリーズ最新作「ターミネーター4」(マックG監督)の日本公開が、来年6月13日に正式決定したことが17日、分かった。製作費は280億円、日本公開規模は600スクリーン以上と、シリーズ最大になる。主演はアーノルド・シュワルツェネッガー(61)からクリスチャン・ベール(34)に代わったが、シュワルツェネッガーがワンシーンだけ出演する可能性が高い。 新作は2018年、核戦争によって人類が滅亡した後の物語で、「ダークナイト」でバットマンを演じたベールが、機械と戦う人類のリーダー、ジョン・コナーを演じる。

 今年夏、ニューメキシコ州のアルバカーキスタジオで行われた撮影では、13あるスタジオ全部を使って「ターミネーター4」の撮影が行われた。スタジオは東京ドーム2つ分の広さがある。重要なシーンごとにセットが組まれ、あるスタジオでは人間型ロボット、ターミネーターの組み立てラインがそのまま作られ、異様な雰囲気を出していた。巨大なセットも多く、30メートル以上ある壁を、CG撮影で使うブルーバックの代わりにするため、全面を青色に塗ったスタジオもあった。

 実写部分も大規模だ。CGで人間を増やすことができるので、最近では大人数のエキストラを使うことは珍しいが、砂漠の中の爆破シーンでは約100人のエキストラを用意した。空軍からヘリコプターを借りたり、現代の牢獄(ろうごく)シーンでは、実際に刑務所で使われていた監房を持ち込んだ。マックG監督は「スケールの大きくリアルな作品にしたい。CGは補強」と説明した。

 同監督は、ターミネーターの物語を着想し「1」「2」のメガホンを取ったジェームズ・キャメロン監督とも入念に話し合った。未来から来た機械と人間が戦う「1」は、アイデアと物語の深みが評判になりシリーズ化された。新作は「1」の雰囲気に近くなる。

 シュワルツェネッガーは、カリフォルニア州知事の公務が忙しくなり、続編出演はないとしていたが、マックG監督は「見る人の楽しみを奪ってしまうから言えないよ」とにっこりし、出演を示唆。数カットだけゲスト出演するとみられる。280億円の製作費はシリーズ最高で、ハリウッド映画全体を見ても最大級。日本でも全スクリーン数の2割に当たる600スクリーン以上で公開する。