今年もクリスマスまで残り2週間強になりましたが、コロナ禍の今年は家族や友人、恋人と自宅でのんびり過ごす予定という方も多いかもしれません。

そんな時におすすめのクリスマス映画はたくさんありますが、逆に「おすすめしないクリスマス映画」ってなかなか聞くことはないですよね。このほど、グラマー誌が「作られるべきではなかったホリデー映画12本」を発表しました。

おうち時間がたっぷりある今年は、自宅で映画鑑賞を楽しもうと思っている方はぜひ参考にしてみてください。あえてそんな烙印を押されてしまった映画にチャレンジしてみるのも逆に面白いかもしれません。12本を2回に分けて、紹介します。

●「クランク家のちょっと素敵なクリスマス」(2004年)

娘とクリスマスを一緒に過ごせないことがわかったクランク夫妻は、クリスマスをボイコットし、カリブ海にクルーズ旅行に出かけることを決意。しかしそのことが、近隣住民を巻き込んだ大騒動に発展し、さらに出発直前のイブに娘が恋人を連れて帰省すると電話が突然かかってくるというストーリーです。

アメリカ人がいかにクリスマスが大好きで重要なイベントなのか良くわかる作品ですが、それが誇張されすぎていて登場人物に不快を覚えるというのが理由。人々が実際にはいかにクリスマスにストレスを感じているのかわかる点では面白い作品といえます。

●「ライトアップ!イルミネーション大戦争」(2006年)

ある小さな田舎町に引っ越してきた主人公が、娘から「バーチャル地球儀サイトで自分たちの家は小さくて見えない」と言われたことにショックを受け、宇宙からも見える家を目指してド派手なクリスマスイルミネーションの飾りつけを始めます。だんだんとエスカレートしていき、近隣住民とトラブルになるというコメディですが、アメリカの消費文化の正気さと分別に疑問を投げかけていると解説。

ロバート・ゼメキス監督(09年9月29日撮影)
ロバート・ゼメキス監督(09年9月29日撮影)

●「ポーラー・エクスプレス」(2004年)

ロバート・ゼメキス監督がメガホンを取り、トム・ハンクスが主演するフルCGアニメーションは、クリスマスイブの夜にサンタクロースを信じられなくなった少年のもとに北極点へと向かう蒸気機関車が現れ、乗車した少年の冒険の旅が描かれた心温まるクリスマス映画です。

モーションキャプチャーと呼ばれる技術を使って役者の表情や動きをCGで再現していますが、それが逆に不自然で不気味だというのが理由。ストーリーそのものは素晴らしいだけに、実写版にした方がよかったのでは? という声が今も根強いようです。

●「Disney’sクリスマス・キャロル」(2009年)

文豪チャールズ・ディケンズの不朽の名作をゼメキス監督が再びモーションキャプチャー技術によってジム・キャリー主演で製作した本作は、「ポーラー・エクスプレス」から5年の時を経て、技術の進歩でよりリアルなCGアニメーションに仕上がっていますが、映像としてはまだ不十分であるというのが理由。

さらにディズニーは「マペットのクリスマス・キャロル」(1992年)という素晴らしいディケンズ作品を作っているので、今更この作品を作る必要はあったのかと疑問を投げかけています。

●ブラック・クリスマス(2019年)

クリスマスとホラーという異色の組み合わせは、ホリデーには不向きというのが大方の意見ではないでしょうか。血が飛び散り、人が叫びわめく映画はやはクリスマスには見たくないものです。どうしても見たい方は1974年に公開されたオリジナル版「暗闇にベルが鳴る」を見るのをお勧めしています。

●パパVS新しいパパ2(2017年)

2015年に公開されたウィル・フェレルとマーク・ウォルバーグが共同で子育てするパパを演じる「パパVS新しいパパ」の続編ですが、今作にはウォルバーグのパパ役でメル・ギブソンが登場。子供たちに最高のクリスマスを過ごしてもらおうと奮闘するパパとおじいちゃんたちのコメディですが、特にストーリーがあるわけではないので陳腐で面白くないと感じる人も多いようです。劇場でお金を出してまでという人も、自宅で見るなら単純に笑えて楽しめるかもしれません。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)