新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年は多くの映画が公開延期となったハリウッド。いぜんとして感染拡大が続くアメリカでは、ロサンゼルスやニューヨークなど大都市で映画館が昨年3月から閉鎖されたままで、2021年に入った今も営業再開の目途は立っていません。

そんな中、年末には「ワンダーウーマン 1984」が劇場公開されて予想を上回るヒットとなりましたが、今年はコロナ禍で公開延期となった話題作が多数ラインナップされています。現時点で公開を予定している待望の話題作を一挙まとめて紹介します。

●「トムとジェリー」 2月26日全米公開 3月19日日本公開

1940年に誕生した人気テレビアニメ「トムとジェリー」が、ついに実写とCGアニメで映画化。ニューヨークを舞台にアニメと同様にトムとジェリーが大暴れします。

●「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」 4月2日全米公開

パンデミックの影響で昨年4月10日の公開が世界中で延期になり、1年越しでの待望の公開となります。ジェームズ・ボンド演じるダニエル・クレイグにとっては本作が最後の作品となることが濃厚で、シリーズ最強の悪役サフィンは「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)でアカデミー賞主演男優賞に輝いたラミ・マレックが演じています。

●「ブラック・ウィドウ」 5月7日全米公開 4月29日日本公開

アベンジャーズの一員ブラック・ウィドウを主人公にした単独映画。「アベンジャーズ」シリーズ同様にスカーレット・ヨハンソンが、ブラック・ウィドウを演じています。ディズニーはパンデミックの影響で劇場公開を予定していた複数の作品を動画配信に切り替えていますが、本作は何度か公開日が変更されたものの劇場公開されることが発表されています。

●「ゴジラVSコング」 5月21日全米公開

ゴジラとキングコングの対決を描くモンスターバースシリーズ第4作目は、当初の昨年3月の公開から大幅に延期されての公開となります。本作は「キングコングVSゴジラ」(1962年)のリメイクではなく、「世紀の対決」という以外そのストーリーは未だベールに包まれています。日本から小栗旬も出演しています。

●「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」 5月28日全米公開

大ヒットカーアクション映画「ワイルド・スピード」シリーズ第9弾。コロナ禍の影響で昨春にいち早く1年間の公開延期を発表していました。

●「ゴーストバスターズ/アフターライフ」 6月11日全米公開

お化け退治という奇想天外な発想で大ヒットした「ゴーストバスターズ」(1984年)と89年に公開されたその続編に次ぐシリーズ第3作目。コロナの影響で1年越しでの公開となる本作には、初代ゴーストバスターズの一員を演じたビル・マーレイの復帰も発表されています。

トム・クルーズ
トム・クルーズ

●「トップガン マーヴェリック」 7月2日全米公開

トム・クルーズを一躍トップスターにした「トップガン」(1986年)の34年ぶりの続編として注目された本作も、コロナ禍で昨年の公開が延期になった作品の一つです。クルーズ演じる伝説のパイロット、マーヴェリックが本作では教官となって帰ってきます。

●「シャンチー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス」 7月9日全米公開

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画史上初となるアジア系ヒーローを描いた本作は、当初は今年2月の公開予定でしたが、コロナの影響による公開スケジュールのずれ込みで7月公開になっています。

●「ジャングルクルーズ」7月30日全米公開

ディズニーランドのアトラクション「ジャングルクルーズ」を実写映画化した作品。ドウェイン・ジョンソンと「メリー・ポピンズ リターンズ」のエミリー・ブラントが、不老不死の伝説を求めてアマゾンのジャングル探索に繰り出します。

●「ナイル殺人事件」 9月17日全米公開

「オリエント急行殺人事件」(2017年)に続いてアガサ・クリスティの推理小説に登場する世界一の名探偵ポアロが登場するシリーズ第2弾。原作は「ナイルに死す」で、映画化は1978年の同名作に続く2度目。ポアロは前作に続いてケネス・ブラナーが演じ、「ワンダーウーマン」のガル・ガドットや「君の名前で呼んで」(2017年)のアーミー・ハマーらも出演している。

●「Dune/デューン砂の惑星」 10月1日全米公開

フランク・ハーバート作のSF小説「デューン」の映画化。昨年12月公開から延期されて10月公開を予定しています。「デューン」はこれまで何度か映画化されていますが、本作は「ブレードランナー2049」(2017年)で知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンを取り、ティモシー・シャラメが主演。

●「エルビス」 11月5日全米公開

「キング・オブ・ロックンロール」と称される故エルビス・プレスリーの伝記映画。プレスリーを一躍スターに育てた敏腕マネジャーを演じるトム・ハンクスが、本作を撮影中の昨年3月にオーストラリアで新型コロナウイルスに感染して撮影が中断されていました。

●「エターナルズ」 11月5日全米公開

MCUの第26作品目となる本作は、100万年前の地球を舞台に遺伝子実験で生み出された宇宙種族エターナルズが主人公。アンジェリーナ・ジョリーやリチャード・マッデンらが出演しています。

●「ミッション:インポッシブル7」 11月19日全米公開

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で昨年2月にイタリアでの撮影が中断し、その後もスタッフに感染者が出るなど紆余曲折がありながらも撮影が続行されてきたクルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」シリーズ第7弾。危険なスタントを自らこなしてきたクルーズが、今作でどんなスタントを見せるのか注目です。

●「グッチ」 11月24日全米公開

イタリアの高級ファッションブランド「グッチ」の創業者一族の争いを描いた作品。メガホンを取るのは「ブレードランナー」(1982年)などで知られるリドリー・スコット監督で、レディー・ガガ主演でグッチ一族の盛衰と骨肉の争いが描かれています。

●「ウエスト・サイド・ストーリー」 12月10日日米同時公開

スティーブン・スピルバーグ監督がメガホンを取り、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド物語」を映画化。コロナの影響で1年越しでの公開となります。

●「スパイダーマン・ホームカミング3」 12月17日全米公開

MCU版「スパイダーマン」シリーズ第3弾。前2作に引き続き、トム・ホランドがピーター・パーカーことスパイダーマンを演じています。

●「マトリックス4」 12月22日全米公開

キアヌ・リーブス主演の大ヒット映画「マトリックス」シリーズ第4弾は、公開日の度重なる変更があったものの最終的に4か月前倒しで今年のクリスマスに公開されることが発表されています。約20年ぶりとなる続編にはネオ役のリーブスをはじめ、トリニティ役のキャリー・アン・モスらオリジナルメンバーが集結しています。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)