2025年大阪・関西万博の開催まで18日に、1000日となる。2025年4月13日に開幕し184日間にわたって、大阪湾に浮かぶ人工島、夢洲で開催される予定だ。「いのち輝く未来社会のデザイン」を中核テーマとし、世界各国がパビリオン出展を予定、日本の民間企業や大学なども出展や協賛、寄付金拠出に手を挙げている。大阪での万博は1970年に次ぐ2回目の開催となり、ビッグイベントの再来に向けて官民挙げた準備が進められている。今年は万博の基礎的な部分を企画する正念場の1年となっている。

   ☆   ☆   ☆

同万博の企画実施を行う公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の副会長、生駒京子関西経済同友会代表幹事に同万博への意気込みを聞いた。

-準備状況は

今年に入り協会職員は430名強に増強され体制が整ってきました。会場整備は来春には終わる予定となっており順次、出展国、企業に引き渡されます。本年度は万博の基本設計に取り組み、来年度からはそこで決めたことを粛々と実行していく段階に移ります。本年度で万博の全てが決まると言っても過言ではありません。参加したいという方々はぜひ今参加してほしいです。

-関西経済同友会代表幹事に就いて2年目となった

今年は同友会で万博を担当する委員会などを通じて機運醸成を図っていかなくてはなりません。全国の同友会の会合などで万博の話をしていきたいと考えています。万博に参加したいと思ったとしても中小企業は大企業のように自分でやることはできません。それをつなぐのが同友会の役割だと思っています。

元来、同友会の委員会はおのおの提言することを目標に活動していましたが、本年度から「調査・研究」「提言」「実行・実現」と委員会の性格を3種類に明確に分けました。特に「実行・実現」の委員会は過去の提言を実行に移し、言いっ放しにならない形を意識しました。万博担当の委員会(大阪・関西EXPO委員会)はまさに「実行・実現」の委員会に位置付けています。

-万博を関西経済の起爆剤にするには

今までは関西の中小企業はありがたいことに取引先となる大企業の庇護(ひご)のもとに仕事をしてきました。しかし東京一極集中もあり、関西に本社機能を残している大企業は数えるほどしかなくなりました。いわば大空を覆う温かい雲が散り散りになり、大空をじかに見ることができるようになったといえます。つまり、中小企業が直接に世界市場を見て仕事するチャンスが巡ってきました。世界各国から人が集まる万博を最高の商談の場としたいです。

また、万博のメイン会場だけでなく、万博に来た大勢の人に大阪・関西の街全体を周遊してもらう仕掛けがいると思っています。例えば、企業などが各自のショールームなどを活用して万博と連動した企画を実施するのはどうでしょうか。そんな情報をまとめ、キーワードで検索できるシステムなどがあれば面白いと思います。みんなが知恵を出し合って万博を盛り上げていきたいです。

   ☆   ☆   ☆

◆生駒京子(いこま・きょうこ)1956年(昭31)、京都市生まれ。大阪電気通信大工学部卒業後、ソフトウエア会社勤務などを経て退職。94年、起業した。学生時代に陸上部に所属したことから、座右の銘は「感謝の心そして一番になること」。1つの物事に打ち込むことに価値があると説く。

関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)
関西経済同友会の生駒京子代表幹事(撮影・滝沢美穂子)