8月11日から15日まで東京・国立劇場小劇場で行われた「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」を見てきました。
稚魚の会は、1970年に国立劇場で始まった歌舞伎俳優研修の修了生による勉強会として発足した。歌舞伎会は幹部俳優のもとに直接入門した俳優を中心に日ごろの成果を発表する公演を行ってきたが、2000年からは両会の合同公演として毎年開催されてきた。
今回は現在の国立劇場が10月をもって閉場するため、初代国立劇場での最後の合同公演となった。「廓三番叟」に始まり、「菅原伝授手習鑑」の車引、賀の祝いの場が上演されたが、最も注目したのは「連獅子」でした。
「連獅子」と言えば、白い毛の親獅子、赤い毛の仔獅子が、前に垂らした毛を左右に振る「髪洗い」、左右の床にたたきつけるようにする「菖蒲叩き」、円を描くように回転させる華やかな毛振りの「巴」など、様々な振り方を次々と繰り出す人気舞台。これまで松本幸四郎(現白鸚)と市川染五郎(現幸四郎)、中村勘三郎と勘九郎・七之助の親子、片岡仁左衛門と千之助の祖父と孫の共演を見てきましたが、今回は親獅子が尾上音蔵(36)、仔獅子が尾上音幸(24)と、音羽屋門下の若手でした。日ごろは名もない脇役で舞台を支える2人ですが、今回ばかりは客席の目線を一身に集める大役に挑みました。6月から2カ月にわたって稽古を重ねてきただけに、毛振りもダイナミックかつ躍動的で、ブレない安定感もあって、客席から大きな拍手が起こりました。2人にとって大きな財産となったでしょう。
9月には歌舞伎座でも「連獅子」が上演されます。親獅子に尾上菊之助、仔獅子に丑之助の親子です。21年に亡くなった中村吉右衛門さんの三回忌追善で、丑之助は「連獅子」初挑戦となります。娘婿と孫の共演は、天国の吉右衛門さんにとって最高の追善となるでしょう。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)




