落語協会の真打昇進披露興行が21日から東京・上野の鈴本演芸場で始まりました。昇進したのは、柳家やなぎ(35)、林家なな子(43)、吉原馬雀(ばじゃく、43)、遊京あらため入船亭扇白(せんぱく、37)、馬久あらため金原亭馬好(ばこう、37)の5人。

やなぎ、なな子、扇白、馬好は2010年の入門ですが、馬雀だけは09年の入門です。馬雀が1年遅れとなったのには理由があります。現在の師匠は吉原朝馬ですが、入門時は三遊亭円歌(当時は歌之介)でした。14年には「天歌」と改名し、やなぎら4人とは1年早く二つ目に昇進しましたが、22年にトラブルが起きました。

円歌から長年にわたって暴力、暴言を受けていたことを訴えました。落語家としての活動を休止し、円歌から破門されました。その後、円歌に対して慰謝料を求める訴訟を起こす一方、23年には朝馬門下に移り、馬雀として再出発しました。裁判では円歌のパワワラが認定され、80万円の支払いを命じる判決が下されました。円歌側は控訴したものの、その後、控訴を取り下げています。

9月初めに行われた真打昇進の会見で、馬雀は「師匠の朝馬が自分を拾ってくれたおかげ」と感謝していました。紆余曲折を経て、1年遅れながら、晴れて真打となった馬雀のトリとしての登場は24日と30日です。鈴本演芸場の後は末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場と真打昇進披露興行は続きます。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)