乃木坂46、4期生の林瑠奈です。


どこを0とするか。



許容範囲なんてよく言いますけど、

どのラインを基準とするかって

何に対しても必要なことだと思います。



基準を設けておくことで、

そのものにおける

良し悪しの判断がしやすくなる。



言い換えると“お手本”のような存在です。



ただ、この基準って

状況や時間のような

付随する環境の変化に伴って

変動するじゃないですか。



例えば、



「日本でのマグロの収穫量が年間平均○トン」



みたいな場合で、

今年に限っては気候や海の状態によって

例年より遥か多くの量が収穫できたとします。



この場合だとその年に限った話なので、

〝例年より増えた〟となるだけで

基準となる0は変わらないわけです。



ただこの収穫量の増加が

限定的な状況の変化ではなく、

継続的な状況の変化だった場合は

話が変わってくるんですね。



収穫量の増加の要因が、

新たな発明によるものだったとしたら?



画期的な養殖技術によって

通常の何倍ものスピードで

マグロを成長させることができる



そんなことがあったら、

それは限定的ではなく

今後も継続していくことが

見込まれる変化と言えます。



そして実際にこの状況が継続すると、

やがて基準の0というラインは

変わってくるわけですよ。



時間が関わる基準の変動についても話します。



年齢とともに解禁されていくものって

ありますよね。



個人的には携帯電話が

わかりやすい例えかなと思います。



今の世代では

どうなっているのかわかりませんが、

私が携帯電話を

持たせてもらうようになったのは

中学生になってからでした。



学校外でも友達と会うようになったり、

塾へ通ったりと、

家にいない時の連絡手段として

持たせてもらったものです。



携帯電話とは言え、

私が持たせてもらったのは

ガラケーを飛び越えて

スマートフォンだったので、

勿論娯楽としても充実した機械でした。



当時は携帯電話を使う際のルールが

細かく決められていて、

時間制限や没収制度、

何をするにも多くのことが

許可制だったのを覚えています。



中学1年生で携帯電話を持たせてもらって

以来約6年が経ちましたが、

当時定められていたルールのほとんどが

亡き者となりました。



これは私が高校生、大学生となり、

家以外のコミュニティで過ごす時間が

長くなったという

状況の変化によるものだけでなく、




自らの年齢と、携帯電話を持ってから

今までの時間を重ねたことで、

ある一定の信用と信頼が

生まれた結果のことです。



つまり、時間によって

携帯電話を使用する際の基準(0)が

変化したと言えます。



“コロナ禍”と呼ばれる時代になって

2年以上が経過しました。



度重なる緊急事態宣言の発令、

それにより多くのイベントや学校行事が

延期、中止になりましたね。



当時私は高校2年生の代でしたが、

修学旅行は延期を重ねた結果

中止となりました。



2022年の今、

新型コロナウイルス感染者の数としては

状況が回復しているとは言えません。



同じ8月31日を比べても、

2年前と今年では

感染者が桁違いに増えています。



状況は変わっていない、

むしろ数という面では

悪化しているとも言える今の状況で、

なぜ2年前は中止となった

修学旅行、コンサートが開催されるのか。



それは時間が経過したことで

“コロナ禍”という時代が

当たり前となったことだけが

理由ではないと思います。



感染対策におけるガイドラインが

明確化したことで、

コンサート会場といった

人が多く集まる場所での

感染対策が徹底できるようになり、

基準が変わったからです。



今回我々が行わせていただいた

「真夏の全国ツアー2022」でも、

ガイドラインに従いながら

ツアーを回らせていただきました。



有観客という2年前ではあり得なかった状態で

ライブを開催できるのは、

そのような感染対策の徹底と

皆さんへの信用と信頼があってこそ。



やむを得ないことも

多々あるかと思いますが、

今一度この状況下でのライブの開催が

当たり前ではないことを

わかっていただけると幸いです。



真夏の全国ツアー2022、幕を閉じました。



会場へ足を運んでくださった皆さん、

配信にてご覧いただいた皆さん、

本当にありがとうございました。

(ニッカンスポーツ・コム「乃木坂46林瑠奈 負けるな!しょげるな!乗り遅れるな!」)