終戦の8月になると、沖縄戦や本土復帰のニュース映像を目にするが、アメリカ統治下の沖縄に思いを巡らせることはまずない。真藤順丈氏の原作小説は1952年から72年のこの「空白期間」を描いている。

米軍基地から物資を奪い、困窮した住民に分け与える戦果アギヤー。映画はねずみ小僧のように活動した青年たちの20年を描く。

先見の明があるカリスマリーダー、オン(永山瑛太)は最後の基地侵入を機に姿を消す。行方を追うためにグスク(妻夫木聡)は刑事になり、レイ(窪田正孝)はヤクザになった。恋人だったヤマコ(広瀬すず)はその思いを受けて小学教師に。オン捜しのミステリーの背景で、米軍情報部やCIA、密貿易団がうごめく激動の時代が進行する。

大友啓史監督の目配りで、1人1人に気合の入った群集シーンにも押されたのだろう。メインキャスト4人の「熱」が伝わってくる。のたうつ姿が胸を打つ。中年の域に達した妻夫木と瑛太が演じる若者時代も不思議なほどリアルだ。

重すぎる内外圧。一筋縄ではいかない現実をくぐり抜けた後にポッと希望がともる。濃密な3時間11分はあっという間だ。【相原斎】

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