今春入団した110期生が3月30日、兵庫・宝塚大劇場で初舞台を踏み、夢の世界へ第1歩を踏み出した。

7月7日付で退団する月組トップ月城かなと、相手娘役海乃美月のサヨナラ公演「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」に出演。幕開きで口上に臨み、レビューでラインダンスを披露。冒頭で「110」の人文字を作り、フレッシュでキュートな4分40秒の場面を担った。5月12日の宝塚公演千秋楽まで出演する。

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今年の衣装テーマは「宝塚トラディショナル」。人文字「110」からのスタートとなった。

初日前日の3月29日には通し舞台稽古を終え、娘役の彩葉(いろは)ゆめ、男役の真羽利綺(まはね・りき)星名(せいな)りおんの3人が取材対応した。

初舞台を前に、彩葉は「憧れの舞台に初めて立てるこの喜びを胸に、千秋楽まで精いっぱい頑張ってまいりたい」。真羽は「同期と過ごせる最初で最後の公演。全員で力を合わせてお客さまにエネルギーをお届けしたい」。星名は「月城さんと海乃さんのサヨナラ公演。とても大切な公演で初舞台を踏ませていただくので、お客さまの心に残り続ける舞台に」と思いを語り、幕開けに備えた。

彩葉は「初めて同期とラインダンスを踊らせていただけて、最初は足の高さ、ラインをそろえるのに苦労しましたが、最後まで同期とたくさん話し合いを重ねて、時間の許す限り頑張ってまいりました」。

真羽は「初めて同期と手をつないで足上げを練習した時の感動は、今でも忘れられない。その新鮮な気持ちを忘れずに取り組んでまいりたい」と気を引き締め、星名は「とても悩んだこともたくさんあったのですが、同期で全員で初舞台に向けての練習を毎日することがとても幸せでした」と笑顔を見せた。

あこがれの大劇場の舞台へは、彩葉が「まぶしい照明、大きな舞台に最初は圧倒されましたが、2階まである客席を見て、とても心がワクワクしました」。真羽からは「初めて大階段に立った時の景色は思っていたよりも大きく、すごく輝いていた。これからも景色に負けないように、全力で取り組んでまいりたい」と決意表明も出た。

星名は「スターさん、憧れの上級生の方々がいつも通られていた銀橋を、私たちも渡ることができて、最初はとても怖かったのですが、幸せでもありました」と振り返った。

110期の特徴を聞かれると、代表して首席入団の彩葉が「雑草魂、110期ですっ!」と元気よく答えていた。【村上久美子】

◆110期生ラインダンス 月組「Grande TAKARAZUKA 110!」(作・演出=中村一徳)の宝塚大劇場公演で、約4分40秒の披露。場面は第14場「タカラヅカ 110!」、楽曲「A Pretty Girl Is Like A Melody」にのり、アメリカンな雰囲気の中で繰り広げていく。 衣装テーマは「宝塚トラディショナル」。トップハット(恭敬)テールコート(礼節の心)ゴールド(善のきらめき)赤(情熱)白い羽(清い心)リボン(かれん)の「タカラジェンヌとしての大切なアイテム」をそろえた形になっている。

取材に応じた彩葉ゆめ(最前列中央)らは、前列へ出て口上を述べた(撮影・石井愛子)
取材に応じた彩葉ゆめ(最前列中央)らは、前列へ出て口上を述べた(撮影・石井愛子)