演出家吉川徹さんが7月29日に亡くなったことが2日、分かった。54歳だった。自殺とみられる。

 吉川さんは宝塚歌劇団OGによるミュージカル「シカゴ」を演出、山本耕史主演のミュージカル「メンフィス」の翻訳・訳詞を担当するなど、第一線の演出家として活躍した。しかし、今年1月3日に妻はるみさんが亡くなったことから、精神的に落ち込むようになり、吉川さんの54回目の誕生日にあたる7月29日、はるみさんが亡くなった時間と同じ午前3時に自殺したという。

 吉川さんは亡くなった後の段取りを書いたメモを実兄に託しており、通夜・葬儀は近親者のみの密葬とし、弔問、供花、香典も辞退の意向という。後日、「お別れの会」を行う予定。

 吉川さんは辰巳琢郎が結成した劇団そとばこまちに参加後、早大文学部に入学。同期に脚本家北川悦吏子さんがいた。文学座を経て、フリーとなっていた。