行定勲監督(47)が28日、都内で開催中の東京国際映画祭ジャパンナウ部門で上映された新作「ピンクとグレー」(来年1月9日公開)イベントで、観客との質疑応答に応じた。

 NEWSの加藤シゲアキ(28)の小説を原作に、Hey!Say!JUMPの中島裕翔(22)を主演に抜てきした映画だけに、この日、上映された新宿ピカデリーには多数の女性ファンが駆けつけた。

 加藤の原作では、菅田将暉(22)が演じた河田大貴こと“りばちゃん”が主人公だが、映画では中島が演じた白木蓮吾こと“ごっち”が主人公として描かれている。行定監督は「なぜ、映画で(物語を)変えたんだよと、加藤君のファンに強い目で見られているのかも知れないけど。責められて全然良いし、加藤君も責めたいところでしょうけど、映画にするには、そういうものじゃない着地点もあるだろうと思いついた」と客席に語りかけて、苦笑した。

 行定監督は、中島のプロとしてのアピール力と演技力を絶賛した。

 「中島君…本当にジャニーズ事務所のアイドルって、すごいと映画の中の演出で実感できた。(劇中歌)『Hey Girl!』という、ちょっと不思議な80年代っぽい映画の、プロモーションビデオを撮った際、15分くらいの撮影で、彼はキメキメでほとんどOK。全部、踊ることができる。恥ずかしがることなく、カメラにアピールって、本当にプロじゃないとできない。東京ドームで『キャーッ』と言われる中で、アピールしていますもんね。彼らはプロフェッショナルとして、それができているのが分かった。後半は一転、どうしようもないダメなヤツ。(演じる際に格好いい部分を)引き算しないといけない。彼はここ(左の首筋)を触るクセがあって、前半はやめさせたけど、後半はそのクセを生かした。普段からやっている、身に着いた本人の部分を、ヘタレなところで使うのは、どうかと思ったんだけど、そういうのもできる。菅田将暉という、今、日本映画界が1番、欲している鬼才、すごい俳優と五分にやれるし、お互いリスペクトしている」

 質問した女性ファンからは「監督の映画は、すごいきれいで(中島)裕翔君もきれいでした。また見たいです」と言う感謝の声もあった。