3月末でテレビ朝日系「報道ステーション」を降板した古舘伊知郎(61)が、8月25日放送のNHK特別番組「日本発見!おなまえ天国」(午後7時30分)で司会を務めることが24日、分かった。古舘がキャスター卒業後にテレビ番組で司会を務めるのは初めて。NHKとの関係ができることで、紅白歌合戦の司会の可能性も出てきた。

 関係者によると、古舘が出演する番組は、日本に約15万種類あるといわれている名字に込められた意味、由来などを、取材力をフル活用し、また、1500人を対象にした大規模調査によって読み解く新感覚バラエティーという。

 古舘は、「報道ステーション」キャスター卒業後、6月からTBS系「ぴったんこカン・カンスペシャル」、日本テレビ系「おしゃれイズム」、7月に入りフジテレビ系「人志松本のすべらない話」など民放のバラエティーにゲスト出演。いきいきとマシンガントークや面白ネタを連発し、圧巻の話術で視聴者や共演者をうならせているが、自身が司会を務める番組はまだなかった。

 また、23日放送のフジテレビ系「FNS27時間テレビフェスティバル!」のワンコーナー「ホンマでっかTV」にゲスト出演した際は、明石家さんまと息の合った掛け合いを披露しつつも、「10月からレギュラーなんて全然入っちゃいない」と自虐的に告白していた。

 古舘は「報道ステーション」の放送期間中、キャスターの仕事にほぼ専念していた。関係者は、古舘のバラエティー番組司会に「08年5月のテレビ朝日系『テスト・ザ・ネイション』以来、約8年ぶりのようだ」と説明した。NHKでは、93年4月から03年3月まで「クイズ日本人の質問」と、後継番組の「新・クイズ日本人の質問」の司会を務めており、13年ぶりの同局での司会となる。

 古舘は、94年から96年まで3年連続で「紅白歌合戦」の白組司会を務めた。当時、民放出身のアナウンサーとしては初めての紅白司会だった。古舘は「報道ステーション」卒業後、一部で、紅白の司会をやりたいという願望があると報じられたこともある。今回、NHKとの関係を築き、20年ぶり4度目の紅白司会に1歩前進したと言えそうだ。昨年の総合司会は有働由美子アナと黒柳徹子。今年は古舘が総合司会候補の1人となる可能性が出てきた。

 ◆古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年(昭29)12月7日、東京都生まれ。立大卒業後の77年にテレビ朝日入社。同8月から「ワールドプロレスリング」中継を担当。さまざまなキャッチフレーズを生み出し“過激な実況”として人気に。84年からフリー転身。85年フジテレビ系「夜のヒットスタジオ」司会も務めた。04年から「報道ステーション」メインキャスターとなり、今年3月降板。血液型AB。