伝説の女性フォークデュオ、ピンク・ピクルスが44年ぶりに復活することが30日、分かった。NHKBSプレミアムの特別番組「ザ・フォークソング~青春のうた~」(今秋放送)で一夜限り再結成する。

 ピンク・ピクルスは70年、同志社女子大に在学中だった茶木みやこ(66)と小林京子(65)が1年限定で結成した。翌71年に大阪・MBSラジオで紹介された「僕にさわらせておくれ」にリクエストが殺到したことがキッカケでメジャーデビュー。その後、解散したが、全国的に注目されたのは、解散後の72年にA面で発売した「一人の道」だった。

 同曲は64年の東京五輪男子マラソンに出場し銅メダルながらも27歳の若さで自殺した伝説のランナー円谷幸吉さんの遺書をもとに、孤独のランナーの苦しみと両親への思いを歌った作品だった。

 異例だったのは、楽曲の冒頭で使用された東京五輪の実況録音。アナウンサーが「頑張れ円谷!」と絶叫する生々しい実況シーンとともに歌が始まる手法が話題となり、全国から反響の声が寄せられた。

 長尾賢治チーフ・プロデューサーは「いよいよ4年後には再び東京五輪です。タイミングもよかったのか、出演を了承してもらえました。今回は当然、この『一人の道』を歌ってもらいます」と話した。

 解散後、茶木は音楽活動を続けるも、小林は業界から離れ、オーストラリアに滞在。今回は番組の企画に賛同しての再結成で、来月12日の番組収録に合わせて帰国する。