芸人を養成するNSC(吉本総合芸能学院)の卒業公演「NSC大ライブ OSAKA」が20日、大阪市内で行われ、ピン芸人・山ノ内(亮太=21)が優勝し、あこがれの声優に“お近づき”になるために芸人を志したという異色の動機を口にした。

 そのあこがれは、「あやねる」の愛称で呼ばれ、10年から活動している佐倉綾音(さくら・あやね=23)。10年から声優として活動をしており「超劇場版ケロロ軍曹 誕生!究極ケロロ 奇跡の時空島であります!!」が初主演作で、ラジオ番組も持っている。

 山ノ内はその佐倉と知り合うきっかけを作りたいとして、NSCに入ったという。「めちゃめちゃ彼女が好きで、ある声優さんと結婚したくて、お笑い芸人やったら知り合えるかなと思って」。芸風同様、ひょうひょうとした雰囲気で、不純な動機を語り始めた。

 山ノ内は和歌山県御坊市出身。高校卒業後、NSCに入ろうと大阪へ出たが「勇気がなくて」、2年間のフリーター生活を経て、昨年4月にやっとNSCに入学。113組が出場したこの日の39期生同期生によるライブを勝ち抜き、優勝をつかんだ。

 「ツッコミ仙人」と書いたTシャツを着て、独自の世界観でフリップを手につっこみを入れていく芸風。独特のひょうひょうとしたワールドで勝ち抜いた。

 「パリッとしたスーツ着て、コンビ組んで、かっこいい漫才師になろうと思って入ったけど、相方が見つからなかった」

 どこまでも人を食ったような受け答えで、山ノ内本人の周りも、独特な空気が漂う。そんな山ノ内に、この日のライブで進行を務めたピン芸人の先輩、たむらけんじ(43)は「センスの塊みたいなタイプ。センスを磨いていけば、バカリズムみたいな路線でいけると思う」と高く評価した。

 優勝した山ノ内は、ダウンタウンがMCを務め、3月5日に大阪・なんばグランド花月で行われる「よしもとゴールデンアワー」への出演が決まっている。

 NSC大阪校は今年、創立34年で39期生、東京校は同22年で22期生が卒業する。東京校の卒業ライブは今月22日に予定されている。