東京で生まれて、ラグビーで活躍して国士舘大に進学。だが、20歳だった93年4月に「K-1GP’93」を見て衝撃を受け、中退して空手の道に入り、キックボクサー、K-1戦士へ。“超合筋”と呼ばれた肉体から繰り出す、必殺の右ストレートと右ローキックで活躍した。01年にムエタイのラジャダムナン・スタジアムウエルター級王者に。03年にはK-1に「WORLD MAX」日本代表トーナメント決勝で魔裟斗に敗れて準優勝。数々の勝利と敗戦、そして鮮烈な印象を残して09年で引退。
格闘家を引退して、俳優の道を志した。「前は格闘技が天職だと思っていた。役者というのは、格闘技に次ぐ2番目だった。だけど芝居を始めたら、こんなやりがいのあるものはなかった。人生で2回も、自分のやりたいものに出会えて、すごい幸せです。リングも俳優も、人間が表現する場。どこか似ているのかも」と話している。
相方となった、すっちーのことは「天才ですね。目が死んでるんです。どんだけ盛り上がっても、目だけは笑っていない、さめてるんです。エメリヤーエンコ・ヒョードル(人類最強と言われた総合格闘家)と同じで、ナチュラルに殺し合いのできる男の目です」。出会って1年、東京で食事をする約束をしている。「でも、東京にやって来ても、1回も電話が来ないんです。仲がいい振りして、仲が良くない。誰か、電話くれるように言っておいてください」と笑う。
吉本新喜劇ならではのコテコテの笑いが山盛りの映画だ。「乳首ドリル」「ケツで人を食う」「脳みそチュウチュウ」と新喜劇ならではのボケが連発。その中でとまどい、強さを見せる男を演じることで、今までの芝居とは違う大きな手応えをつかんだ。「勉強になりました。言葉のチョイスとか、間の取り方がすごい。これからはオファーが来た役を、どんどん演じていきます。オネエでも、気弱なサラリーマンでもやってみたい」。役者として来るべくオファーに備えて、アクション教室に通い、乗馬、殺陣、英会話とスキルアップに努めている。「もうちょっと修行を積んでから、いつか海外にもチャレンジしたい」。まだまだ、闘いは続いている。
◆武田幸三(たけだ・こうぞう)1972年(昭47)12月27日、東京生まれ。01年にムエタイのラジャダムナン・スタジアムウエルター級王者。03年K-1「WORLD MAX」日本代表トーナメント準優勝。16年、NHK大河ドラマ「真田丸」に出演。




